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12月15日-07号

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  1. 岡山県議会 2004-12-15
    12月15日-07号


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    平成16年12月定例会          ◎ 平成16年12月岡山県議会定例会会議録  第7号〇 平成16年12月15日(水曜日)                  議  事  日  程                  午前10時30分開議第1 一般質問第2 議第102号~議第141号(委員会付託)第3 請願陳情委員会付託      ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~                  本日の会議に付した事件日程第1 一般質問日程第2 議第102号~議第141号(委員会付託)日程第3 請願陳情委員会付託      ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~        午前10時31分開議 ○副議長(中塚正人君)  これより本日の会議を開きます。   ~~~~~~~~~~~~~~~ △日程第1 一般質問 ○副議長(中塚正人君)  日程に入り,一般質問を行います。 53番井手紘一郎君。   〔 53番 井手紘一郎君 登壇 〕 ◆53番(井手紘一郎君)  皆さん,おはようございます。 知事並びに農林水産部長に,台風23号による森林災害について質問をいたします。実のある御回答をお願いいたしておきます。 おかやま森づくり県民税が本年4月に創設され,施行されています。健全な人工林の整備や林業担い手の育成確保,木材利用促進など,森林の公益的な機能を維持・保全することを目的に,全国に先駆けて導入されたもので,全国的にモデルケースとして注目を浴びています。このたび,めでたく3選を果たされた石井知事は,これからも県勢発展のために数々の大きな仕事をされ,偉大な業績を残されることと思いますが,この新税を活用した森づくりの事業は,知事の業績の中でも特筆されるものとして,後世に語り継がれるであろうと私は確信をいたしております。 ところで,皮肉なことに,ことし10月20日,本県は台風23号の襲来を受け,県北一帯の森林被害は,かつて経験したことのない大規模にして極めて甚大なものであります。その惨状にただただ茫然とするばかりであります。数代にわたり営々と植林し,育林に努めてきた森林が一瞬にして壊滅してしまったのであります。被害森林は約5,500ヘクタールに及び,被害総額は約65億円と発表されていますが,実態はそれをさらに上回るものと見られています。100年を超える高齢級の美林から,間伐を済ませたばかりの若齢林まで,無差別になぎ倒された森林を,今後いかに復旧・再生するか,極めて重大かつ困難な問題であります。今,被害林家はようやく気を取り直し,徐々に林道や作業道の通行を阻害している風倒木の処理作業に取り組み始めていますが,あの莫大な風倒木の除去・搬出だけを考えても,気の遠くなる話であります。ましてや,その跡に植栽し,造林をするほどの林業意欲を持っている林家は果たして何人いるでありましょうか。そもそも,林業とは,何十年,何百年の長期にわたって持続的に営まれるべきものであります。森林の時間は長く,50年生ぐらいまでの森林はまだ一人前とは言えないのであります。森林の育成には,実に根気と情熱,そして労力と経費がかかるのであります。 振り返って山に思いをいたしますと,敗戦前後の日本列島ははげ山だらけでありました。戦争に使われ,または日本復興のために,あらゆるところで伐採され,活用されたためにはげ山になったのであります。一雨降れば水害の連続で,戦後しばらくの間,死者何百人,何千人という水害が何と多かったことでありましょうか。ところが,今,はげ山など探そうにも探せないのであります。事実,同程度の雨が降ったのでは,山は微動だにしない。雨が降ってもマイホームが流れずに済んでいるのであります。あの荒廃した日本列島は,ほうっておいて今のような緑の列島に回復したのでは決してありません。山村の人たちは,苗木を背負って山に入り,木を植え,汗を流して手入れをしたからであります。まさに木を植えることは国策でありました。そのおかげで今の緑の列島があります。これから本格的な森林づくりに入ろうという今になって手をかける人がいなくなってしまいました。木材が売れない。売れても材価が安く,林業は衰退の一途をたどっています。切る人もいない。切るべき木は切られずに放置されている。木はあり余っています。切らないということが破壊なのであります。そこに追い打ちをかけるように,有史以来の未曾有の森林災害が発生しました。知事,この災害状況を見てどうお考えですか。知事は,新税創設に見られるように,森林整備の大切さをよく認識され,高い志と崇高な理念,哲学を持って林務行政に取り組んでおられますが,このたびの森林災害の復旧,森林の再生に対する御決意もあわせてこの際ぜひお聞かせください。 失意のどん底にある林家に,風倒木を除去し,その跡に再び立派な森林を造成しようという意欲がわいてくるような,県としての温かい支援体制と環境をつくっていただきたいのであります。 次に,具体的な支援策等について,農林水産部長に幾つかの質問をします。 森林災害発生以来,県におかれては,被害調査や応急措置にいち早く対処され,国に対しては,激甚災害指定を強く要望されました。私も,島村農林水産大臣に直接お会いし,さまざまな支援をお願いいたしました。幸い,通常ベースよりかなり早く指定を受けることができました。激甚災害法による補助率は,国が6分の3,県が6分の1ですが,県はさらに単県で6分の1の補助かさ上げの補正予算を組んでおられますので,林家の負担は6分の1,すなわちパーセントにいたしますと,16.6%となります。激甚災害の補助を受ける条件として,伐採,搬出,造林の一連の事業をしなければなりませんが,通常の造林作業と比較して,被害森林では,風倒木の散乱はもとより,山腹の崩壊区域もあり,作業の危険度も高く,割高の作業費が予測されます。適切な復旧事業の推進には何よりも林家の造林意欲が大切でありますが,16.6%の負担,つまり金額にいたしまして,1ヘクタール50万円から60万円ぐらいの負担になりますが,そうした負担に果たして耐えることができるのか。私は,国や県,市町村も含めて,一層の負担の軽減策をとらなければ,林家は風倒木をそのまま放置せざるを得なくなるのではないか。市町村の助成で5%ぐらいまで軽減できないものかとも考えますが,対策についての県のお考えをお伺いいたします。 この際,私は一つの提言を申し上げますが,木材生産の林業経営を続けることは無理ではあるが,環境保全林化させて,木材生産以外の森林の機能の向上に役立てたいという森林所有者には,環境保全林化させるのに必要な植栽,間伐,そしてその跡の広葉樹成立のための保育に必要な経費の公的支援を行うことの検討をすべきではないか。また,公有林化できるところは公有林にして,そこで環境保全林化を図るべきではないかと考えますが,県の方針もお伺いいたします。 以上,あわせて農林水産部長にお伺いいたします。 次に,被害が余りにも甚大であるだけに,復旧作業は極めて困難かつ危険であります。したがって,作業を安全に,しかも効率的に進めるためには,高性能林業機械の導入が急務と考えられますが,県においては,風倒木対策のための機械化をどのように進めるのか,農林水産部長にお伺いいたします。 次に,今回の被害区域には,地形的な面も災いして,十数ヘクタールにもわたる大面積の被害林が目立ちます。これらの復旧については,個人有林はもとより,共有林,市町村有林にしても,被害区域内には土砂崩壊防止工事を要する部分も多くありますので,森林所有者サイドでの事業は困難と考えられます。このため,一定面積以上の被害区域並びに土石流等2次災害の発生危険地区にあっては,治山事業など公共事業による計画的かつ迅速な対応がなされるべきだと思いますが,農林水産部長のお考えをお伺いいたします。 次に,復旧技術についてであります。今回の被害林の中には,戦後復興期に国土緑化と木材資源増殖という国策のもと,人工林化が強行された区域もあります。地形,地質,環境機能の面から,復旧・再生に際して,樹種,植栽技術,作業用道路作設技術等について,地権者,管理者に対して十分な普及指導が必要と考えますが,県の対応方針を農林水産部長にお伺いいたします。 次に,風倒木も含めて,木質資源の利活用について,知事にお伺いいたします。北欧に見られるように,幹から枝葉に至るまで,山で切られたものは100%利用するというシステムがない我が国においては,山から出てくるものは,幹の太い部分だけで,残りは採算に合わないため林内に放置されます。間伐材に至っては,いわゆる林地残材が出荷材積と同量もしくはそれ以上という事態となっています。これに加えて,今回の台風被害材の発生による材積は低く見積もっても100万立米を超すものと思われます。この量は,本県の通常年における素材生産量の3年分に相当するものでありますが,風倒木を含めた林地残材等木質資源活用について,県の対応をお伺いいたします。 最後に,これに関連してお尋ねいたします。現在,建築用材以外の木質資源を活用する産業が未発達な状況でありますが,幸い,県内にはグリーン・バイオ新産業の創出やバイオマス発電の燃料化に向けてさまざまな力強い動きが展開されようとしています。また,真庭産業団地内に設置される三井造船によるバイオエタノール製造実験プラントの成果も待たれるところであります。膨大な資源を擁する県北部での本格操業にぜひともつないでいただきたいと願うものでありますが,御所見をお伺いいたします。 以上,災害関連事項等についてお伺いいたしましたが,地球温暖化対策京都議定書も来年2月には発効と聞いております。森林整備は今や国際的課題として重要度を増しています。財政危機のさなかではありますが,環境先進県として積極的な対応を切望いたしまして,私の一般質問を終わります。 ○副議長(中塚正人君)  答弁を求めます。 知事石井正弘君。   〔 知事 石井正弘君 登壇 〕 ◎知事(石井正弘君)  自由民主党の井手議員の質問にお答えをいたします。 森林の災害状況等についてでございますが,お話ございましたとおり,森林所有者の方々が長年にわたってまさに手塩にかけて育ててこられましたその森林が一瞬にしてなぎ倒されたと,こういう未曾有の被害をもたらしたところでございまして,私も現地の視察をする中で,その状況を目の当たりにいたしまして,これは早急な対応が必要であると,このように痛感をし,また重く受けとめさせていただいたものでございます。このため,災害発生後直ちに国の方に対しまして,議会と協調いたしまして,復旧支援につきまして緊急要望を行いました。そして,12月1日には激甚災害の指定を受けまして,また同時に,今回,必要な補正予算を本議会に提案させていただいているところでございます。森林の復旧のこの問題につきましては,森林災害復旧事業あるいは森林所有者の負担を軽減し,復旧の促進を図っていくための県独自の上乗せの助成,応急的な風倒木処理対策事業の実施,高性能林業機械の導入支援,さらには保安林改良や造林事業の活用など,総合的な復旧対策に積極的に取り組んでまいる所存であります。 また,市町村,森林組合と緊密な連携を図りまして,森林所有者に対します樹種や植栽方法等,きめ細かい助言を行うなど,支援体制等を整備いたしまして,森林の早期復旧に全力を挙げて取り組んでまいりたいと存じます。 次に,木質資源の活用でありますが,間伐材などの木質資源を有効に活用するということは,森林所有者の所得向上あるいは地域の活性化を図って森林の適正なる管理・保全につながるものであります。風倒木の活用につきましては,健全なものにつきましては建築用の用材といたしまして,また,曲がりや割れなどがあるものにつきましては,チップとして利用されているところでありますが,県といたしましても,なお積極的な利活用を図っていくために,治山事業における落石防止工や林道事業における木製のり枠工などに利用いたしますほか,県,市町村が行います公共事業につきまして可能な限り利用してまいりたいと存じます。 また,林地残材などの木質資源の活用につきましては,県下におけるバイオマス発電の事業化に向けました動きとか,あるいはペレットストーブの導入取り組み,こういったことに対しまして支援を行っているところでありまして,これらを通じまして,木質資源の利活用を図っていくことといたしたいと思います。 最後に,バイオエタノール製造プラントでありますが,県北に豊富に存在しております未利用間伐材や製材廃材などのいわゆる木質バイオマスの利活用を図っていくということは,地球温暖化の防止あるいは資源循環型社会の構築を図るという観点からも重要であると認識をしております。このため,三井造船が真庭の産業団地で行いますエタノールの実証実験につきましては,県といたしましても,グリーンバイオプロジェクトといたしまして支援をしているところでございます。県といたしましても,県北地域の活性化を図っていくためにも,ぜひとも商業プラントにつながるように,当プロジェクトの推進を期待しているものでございます。これからもできる限りの支援を行ってまいりたいと思っております。 以上でございます。 ○副議長(中塚正人君)  農林水産部長森義郎君。   〔 農林水産部長 森 義郎君 登壇 〕 ◎農林水産部長(森義郎君)  お答えいたします。 まず,森林災害復旧事業負担軽減策等についてでございますが,森林の復旧を円滑に進めていくためには,国や県,そして市町村,森林組合等が一体となって取り組むことが重要と考えておりまして,市町村に対して,国,県の助成に加えて,さらなる森林所有者の負担を軽減するための措置を促し,現在,関係市町村において鋭意検討がされているところでございます。 公的支援につきましては,森林所有者の自助努力が期待できず,また土砂の流出,崩壊等のおそれがある保安林等につきましては,保安林改良事業等による公的整備を検討いたしますとともに,市町村に対して,地域の森林の公的な保全等を支援する森林・山村対策に係る地方財政措置というのがございますが,これの活用を促進するなどによりまして,森林の公的整備を図ってまいりたいと存じます。 また,被災林の公有化についての御提案がございましたが,環境林的な役割を果たすということのみで公有化を図るということは難しいと考えております。さらに,その選別あるいは民有林のまま復旧に取り組む森林との均衡など,さまざまな問題がございまして,今後の課題とさせていただきたいと存じます。 次に,作業の機械化の取り組みについてでございます。被害地におきましては,大量の風倒木が折り重なった状態にありまして,処理作業は非常に危険で,そしてまた作業効率が悪いことから,その復旧に当たりましては,安全でまた効率的に処理するために,機械化による作業を進める必要があると考えております。現在,流域ごとに森林組合等により設置されている林業機械化センターやあるいは森林組合それぞれが保有する各種の機能を有する林業機械を活用いたしまして,伐採から集材,搬出までの一連の作業システムによりまして,作業を効率的に進めようとしております。しかし,これらに対応する高性能林業機械の整備が十分でないことから,森林組合に対して,機械の積極的な導入を支援してまいりたいと存じます。 次に,公共事業による復旧についてでございますが,激甚災害指定による森林災害復旧事業のほか,林地の崩壊等により人家や主要な道路等が被災した緊急を要する箇所,これらの箇所につきましては,災害関連緊急治山事業により復旧に取り組むことといたしております。 また,保安林の被災により人家等に土砂が流出するといったような2次災害のおそれがある箇所,これらの箇所につきましては復旧治山や保安林改良事業による復旧を検討してまいりたいと存じます。 最後に,復旧技術についてでございます。復旧に当たっては,森林所有者に対する技術的指導は重要であるというように考えておりまして,振興局森林課に「復旧相談コーナー」を設けますとともに,林業改良指導員が森林組合と連携いたしまして,森林所有者を訪問し,助言等を行っているところでございます。技術等の指導に当たりましては,被害状況に応じて再造林や複層林への誘導などの復旧方法や,その地域に適した針葉樹や広葉樹の植栽樹種の選定,あるいは地形,地質に合った効率的な作業路の開設技術などにつきまして,きめ細かい助言を行い,円滑な森林の復旧に努めてまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○副議長(中塚正人君)  36番小田春人君。   〔 36番 小田春人君 登壇 〕 ◆36番(小田春人君)  皆さん,おはようございます。 11月19日の全員協議会でも申し上げましたけども,圧倒的な勝利で3期目の選挙を勝ち抜かれました石井知事に,改めて心からお祝いを申し上げたいと思います。県民のトップリーダーとして,石井カラーをより出していただきたいと,そんな思いで,今回は「笑いと行政」,「笑いと教育」ということで,一風変わったテーマで提言と質問をいたしたいと思います。 「笑の大学」の名を聞かれたことがあるでしょうか。ラジオドラマ,芝居で人気を博した「笑の大学」が映画化され,先月中公開されていました。舞台は,戦争の色が濃くなった昭和15年,登場人物は役所広司扮する警視庁保安課検閲係と稲垣吾郎扮する浅草のお笑い劇団笑大学座付作家のほとんど2人だけです。無理難題を吹っかけ,何度も芝居台本の書き直しを命ずる検閲係は,自身も笑ったことがなく,国家非常時に笑いなど言語道断だと考えています。「人を笑わせることがそんなにも大事なことなのか」と詰め寄る検閲係,「こんなときだからこそ大事だと思います」と切り返す作家,2人の攻防の中で芽生えていく不思議な友情,そして笑いについつい引き込まれ,台本をより笑えるように作家と一緒に修正する検閲係の姿に,その時代の社会における笑いの本質の一面を見る思いがいたしました。結末は,作家に召集令状が来て上演できなくなるというおもしろくもほろ苦い物語であります。 そうです。人を笑わせ,自分も笑い,仲間と一緒に笑うこと,笑いがそんなにも個人にとって,集団にとって重要なのか,笑いとは何かをいささかなりとも掘り下げ,それを活用する方策を探るのが今回の主眼でございます。会合で,また個人的にも多くの人に尋ねてみました。笑いについて真剣に考えたり研究したことがあるかを。お笑いを嫌いだと言った人が一人もいなかったと同様に,異口同音に考えたこともないとの答えが返ってきました。かくいう私も,今まで一度も笑いと真っ正面に向き合ったことはありません。極めて身近で,ある意味空気のようなものだからかもしれません。とは申せ,初めは何でも古代ギリシャからの定石どおりギリシャ哲学の時代からあまたの先人が笑いについて研究してきました。フロイトと並んで20世紀の笑い研究の大家ベルグソンは,「アリストテレス以来,お偉い思想家たちがこのちっぽけな問題」──笑いのことですが──「このちっぽけな問題と取り組んできたが,この問題は,いつもその努力をくぐり抜け,すり抜け,身を交わし,またも立ち直るのである。哲学的思索に対して投げられた小しゃくな挑戦と言うべきだ」と,その著書「笑い」の中で書いています。つまり,笑いはどこかつかまえどころがない性質を持っているのが,笑いを考えない第2の理由でありましょう。 笑いの研究については,日本では1994年に日本笑い学会が設立されています。欧米では,笑いの研究はユーモア・スタディーズと称され,国際ユーモア学会があります。これも十六,七年前に設立されておりますから,決して古いことではありません。日本でユーモアということは,笑いを起こさせるもとになるもので,人間的共感を呼ぶもの,心に安らぎを与えるものなど,笑いの一部を一般的には意味します。しかし,笑いの総合的研究を笑い学と言ったりユーモア学とも言うので,この際,おおらかにいきたいと思います。実際,笑いを研究すると,笑えなくなるというのも本当で,細かいことには一切こだわらず,笑いの森にいざ突入です。しばらくおつき合いをお願いします。 まず第1に,人間はなぜ笑うかであります。その前提として,笑うのは人間だけかという問題があります。アリストテレスは「笑う動物は人間だけである」と唱えましたが,現在までの研究で,ゴリラ,猿,チンパンジーの霊長類は笑うとされています。しかし,複雑な笑いを駆使できるのはもちろん人間だけで,人間に笑う能力が生得的に与えられているのは,個体として元気に生きることと,仲間と親和的に共同生活を営むことの2つの理由が関係していると言ってもよいのではないでしょうか。いわゆる赤ちゃんのエンゼルスマイル,天使のほほ笑みはその最初の発現であります。 第2は,笑いの分類についてであります。笑いを類語辞典で調べてみると,目笑,巧笑,爆笑,哄笑,大笑,苦笑,憫笑,微笑,一笑,失笑,談笑,嘲笑,冷笑,朗笑,嗤笑,嬌笑,帯笑,含笑,可笑,歓笑,しのび笑い,盗み笑い,含み笑い,薄笑い,照れ笑い,ひとり笑い,つくり笑い,愛想笑い,高笑い,思い出し笑い,苦笑い,果てはばか笑い,助平笑い等々,余りの多様性には驚くばかりであります。その帰結として,笑いの分類に定説はありません。ここでは,2つの分類説を紹介するにとどめます。1つは,笑いを自然発生的な笑い(不随意的な笑い)と作為的な笑い(随意的な笑い)に分類する考え方,もう一つは,快の笑い──愉快な笑いですね。社交上の笑い,緊張緩和の笑いに分類する考え方であります。もちろんその二つ,三つに分類しても,それからまた細かく分かれるわけですが,ここでは触れません。 第3は,これが最も肝心なことでありますが,笑いは何に役立つか。すなわち,笑いの効用や機能についてであります。生理的効用心理的効用社会的効用の三側面があります。まず,生理的効用について。昔から「笑いは百薬の長」と言われてきましたが,ユーモア療法,笑い療法の始まりは,わずか40年前のアメリカのジャーナリスト,ノーマン・カズンズのエピソードであります。ノーマン・カズンズは,完治する可能性がほとんどない重度の膠原病にかかりましたが,ビタミンCを大量に点滴しつつ,ひたすら笑い続け,完治したという,うそのような本当の話であります。近年,心理状態と生理状態の相関関係を研究する心身医学の発達によりさまざまな医学的発見や証明がなされております。いわく,笑うと唾液の中のグロブリンAという風邪を予防する免疫物質が増加する。笑うと血液中のコルチゾールというホルモン物質が減少し,ストレス解消効果がある。笑うと脳細胞の中のエンドルフィンという強力な鎮痛効果を持つ物質が急激に増加する。笑うとリューマチの炎症を悪化させる血液中のインターロイキン6とインターフェロン・ガンマが減少する。笑うと血糖値が大幅に下がる。さらには,笑うと血液の中にあるナチュラルキラー細胞──NK細胞と言いますが──NK細胞というがん細胞を殺す細胞が急激に増加するなどがあります。健康のためにも,医療保険制度を破綻させないためにも,笑って笑って笑いまくりましょう。 次に,心理的効用については,気分がよくなる,緊張が緩和される,心の浄化──カタルシスと言いますけども──心の浄化作用がある,抑圧された欲望が開放される,自己防衛機能がある等が挙げられます。そして,笑いの社会的作用については,笑いは人間と人間との距離を縮め,社会的な相互作用を促進します。人間のきずなを深め,強め,ひいては集団の凝集性──仲間意識のことですが──集団の凝集性を強化します。その裏返しとして排除作用を持つことも否めません。また,このことに関連して,社会化や社会統制機能があります。さらに,笑いには攻撃性や風刺,社会批判の機能を持つことはよく知られております。このように,効用においてもプラス面,マイナス面含めて実に多岐にわたります。 第4の問題として,日本の社会では笑いはどのように見られてきたのでしょうか。東(東京)の笑い,西(大阪)の笑いという切り口で考えてみます。大ざっぱに言えば,東京の笑いは侍社会の名残を残し,大阪は商人社会の影響を受けていると言えます。侍社会は縦社会が特徴です。身分や階級などの縦の軸が一番大事で,その中で暮らす人間は,上に忠義を尽くし,立身出世が生きがいとなります。こういう社会では,笑いは抑制され,禁欲されます。なぜなら,笑いは攻撃として受け取られがちで,けんかのもとになるからであります。一方,大阪は,商人の都として発展しましたから,何が大事かと言えば横の関係です。商いは対等の交渉で進められ,関係を親和的に保つためには笑いが欠かせません。笑いは,協調として受け取られ,商人社会では口の文化が発達を見ます。上方落語や漫才が隆盛するゆえんであります。お笑いの世界では西の笑いが優勢ですが,実社会では東の笑いが今でも色濃く残っているように思えます。それに拍車をかけてきたのが,明治維新以来,欧米に追いつけ追い越せのまじめに努力することに高い評価を与える社会構造であります。笑い文化の違いとはいえ,アメリカやイギリスでは,地方の本屋に至るまで,ユーモア専門のコーナーがあると言います。東京駅の近くにある日本を代表する巨大書店八重洲ブックセンターや丸善丸の内本店ですら,笑いのコーナーはありません。両店を訪れて,おせっかいとは思いましたが,「笑いコーナーを設けたら必ず受けますよ」と提案しておきました。つまり,お笑いの需要はありますけども,それだけ笑いの社会的需要がないということであり,笑いが欧米ほど高く評価されていない証左でもあります。民間には,笑いを専門にする経営コンサルタントや笑顔セラピーを開いている人もいますが,少数です。ましてや,行政や教育の世界では,笑いの活用についてはまだまだ未開拓だと言っても間違いないと思います。65万冊の蔵書を持つ県立図書館で,「笑い」で検索してもらうと367冊ありました。リストを見ても,笑いと行政,教育に直接的に参考になりそうな本はほとんどありません。笑いを勉強する中で,笑いの可能性にかければ,何か変わるのではないか,いや,必ず変わるはずだとの問題意識は強くなるばかりであります。 そこで,笑顔がすばらしい石井知事にお伺いします。 知事は,いつもにこやかな表情で随所にユーモアを取り込んだスピーチをされます。笑いに理解と共感を持たれているからだと察しています。まずは,石井知事にとって笑いとは何かということをお尋ねいたします。 笑いを県政に生かすとすれば,大きく分けて職場の雰囲気づくりと政策づくりであります。笑顔の飛び交う職場は明るく活気があり,能率も上がることは言うまでもありません。問題は笑顔への意識改革であります。各課でどうすれば笑顔の職場づくりができるかディスカッションする。チャレンジ県政政策研究会で若手職員の感性で研究する。もっと言えば,全庁的に笑いによる意識改革実践プロジェクトチームを立ち上げる,あるいは職員研修に必ず笑いに関する講座を入れる。イギリスのBBC放送で,「世界でただ一人の笑顔コンサルタント」と紹介されたという門川義彦さんのような人も適任でありましょう。一押し最適任者がいます。岡山県玉野市出身でお茶の水女子大学哲学科教授の土屋賢二先生です。もうほとんど知る人は知っとられると思いますけども,病的とも言ってよいくらいナンセンス好きで,その文章は抱腹絶倒であります。今もある週刊誌に毎週エッセーを連載されております。私など,御本人が爆発的に売れ残っているという著書を12冊も買わされ,一気に読んでしまいました。このような先生の講義を受ければ,職員の意識が変わるのは必定でありましょう。政策で言えば,「晴れの国おかやま」に続いて「笑いの国おかやま」をぜひつくりたいものであります。そのためには,「笑い」を中核に置いた県民運動の展開が必要です。「おもてなし」は「笑顔のおもてなし」,「花いっぱい運動」は「笑顔の花いっぱい運動」と,笑顔を入れると温かみを増します。ポスター,シンボルマーク,ユーモア詩のコンクール,県立美術館で笑いをテーマにした企画展を開催する。県立図書館には,世界じゅうから笑いやユーモアに関する書物を集め,展示コーナーを創設する等々,アイデアを募り,夢づくりプラン新規施策枠の中で取り組んでいただけたらありがたいのであります。職員からアイデアを募ればいろんなアイデアが出てくると思います。今の「新世紀おかやま夢づくりプラン」を調べてみますと,「笑い」や「笑顔」の言葉が1カ所もありません。現プランの目標年度は平成18年度です。来年度から策定を検討されるであろう次期プランには,「協働」と並んで「笑い」もキーワードにしていただければ幸いであります。石井知事の強力なリーダーシップにより,全国に先駆けて「笑いの国おかやま」の推進を期待するものであります。笑いを活用した県政の推進について,知事の御所見をお伺いいたします。 宮野教育長も笑いがいい方ですが,宮野教育長は,埼玉県の小学校の増田修治先生が書かれた「笑って伸ばす子どもの力」という本を読まれたことがあるでしょうか。増田先生は,ユーモア詩を子供に書かせ,教室で発表したり,学級通信に載せたり,学級懇談会で読み上げたりしながら,笑いを生かした教育を実践されており,それをまとめた本であります。「私がユーモア詩に力を入れているのは,ユーモア詩が大人と子供,子供同士の関係を結び直したり結び変えたりする力を持っているからです。どんな社会になっても,生きていける力が必要です。その基本となる人とつながり合う力には,ユーモアのセンスが必要です。」と書かれています。笑いと涙は隣り合わせでいると居心地がよいのかなと感じさせる本であります。 学校は,本来,学力,生活の仕方,人間関係のあり方を身につけさせるという目標があります。その中で,今まで学校ではまじめモードがどちらかといえば支配的であり,ひょうきんな先生がひょうきんな授業をする個人わざはあっても,全体として笑いを取り入れた教育は余りなされてこなかったように思います。今こそ,教育の現場でユーモアの力,笑うことの大切さを認識し,実践することが極めて大切ではないでしょうか。学校は,学ぶ場所であるとともに,笑う場所であるというくらいの発想の転換も必要でしょう。特に,人から笑われることを耐えたり克服する力,そして自分を笑えるようなセンスを身につけることができれば,多くの子供たちが救われるのではないでしょうか。そのためにはまず先生の意識改革です。そして,笑いを取り入れた教育の研究をし,実践をして,次々と成功モデルをつくることであります。教育長の御見解をお伺いします。 教育長の前向きな答弁を期待して,一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○副議長(中塚正人君)  答弁を求めます。 知事石井正弘君。   〔 知事 石井正弘君 登壇 〕 ◎知事(石井正弘君)  自由民主党の小田春人議員の質問にお答え申し上げます。 私よりも数倍笑顔のすばらしい魅力的な小田春人議員より,ただいま私の笑顔についてお褒めの言葉をいただき,また3選につきましてのお祝いの言葉をいただきました。光栄に存じ,またお礼を申し上げる次第でございます。 非常に答えにくい御質問をちょうだいをいたしまして,私も今苦慮しているところでございますが,まず「笑い」ということにつきましての御質問でございます。 ただいまギリシャ哲学を初めといたしまして,笑いにつきましての詳細な研究,そして深い洞察力に裏打ちをされたお話をちょうだいいたしまして,大変私自身も興味深く拝聴させていただいたものでございます。いつも議員には,大変示唆に富む話題をこの議場で提供していただいております。感謝を申し上げる次第でございます。 さて,私もただいまお聞きをしながら,議員が御指摘になりました「笑い」の,まずその身体的な効用,すなわちストレスの解消とかあるいは鎮痛作用と,そういう効果があって,少々の病なら吹き飛ばしてしまうと,こういうことにつきましては,私自身の体験も踏まえまして,なるほどと,このようにも思ったところでございまして,また膠原病のお話をいただきましたが,重度の難病を持っていらっしゃる方が笑いによって完治したということは,初めてそのことをお聞きいたしまして,そういうことが事実であるならば,まさに私自身も大いに笑いながら健康な毎日を送らなければいけないと,このような思いもしたものでございます。 そして,その社会的な効用といたしまして,笑いが人と人との距離を縮める,そして仲間と親和的な生活を営むことができるという作用,これは大変重要であると,このように思いました。「笑う門には福来たる」と,このようにも言うわけでございますが,笑いは当人だけではなくて周囲の方々を明るくし,また幸せにするものであると,このように感じました。笑いの意義あるいは効用というものを平素から意識的に考えることは大切なことであるということを改めて認識させていただきました。 いろんなところに私も出席をし,多くの県民の皆さんと交流をするわけでございますが,できますれば,先ほどいろんな笑いのお話をいただきましたが,つくり笑いとかあるいは冷笑あるいは嘲笑といったようなことは歓迎すべきものではございません。大笑いとかあるいは高笑い,爆笑と,こういったような場面に私は遭遇いたしますと,大いに心が和むものでございます。宴会等におきましても,泣き上戸という方は,私はなかなか苦手でございますが,逆に笑い上戸の方は大歓迎ということでございまして,笑いということが,これからの生活にとりましても本当に大事な面を持っているということを思ったわけでございます。小田議員にお褒めをいただきましたけれども,笑顔をこれからも忘れず,県民の皆様方に未来志向で,そして明るい話題,笑顔あふれる,県民の皆さんにそう思っていただけるような県政を展開していきたいというふうに思ったものでございます。 「笑い」を活用した県政の推進ということにつきましても御質問をちょうだいいたしましたが,私は,県民の皆様お一人お一人が喜びあるいは幸せを実感できる,そういう夢と希望にあふれる地域社会づくりを目指しているところでございまして,これはまさに議員が御指摘されました県民の皆さんの間に笑顔があふれる,そういう岡山づくりを目指しているということにつながっているものでございます。そのため,これからの政策推進の過程の中にありましても,県民の皆様に笑いと,また笑顔を持って協働の県政,その輪に加わっていただくように,これからも努力をしていきたいと思います。そして,職員の皆さんにも,常日ごろから,前向きにチャレンジ精神を持って,そして県民の皆さんに対するサービスを提供している県庁だという意識を持って取り組むようにと,このようにお話をしておりますが,真摯にこれからも職務に携わっていただく,その傍ら,笑いとそして笑顔を忘れることなく前向き思考で施策・事業を展開してもらうように,これからも県職員にお話をしていきたいと思っているものでございます。 「笑い」,それ自体が健康面などいろんなさまざまな効用を持つということをお話をいただいたわけでございますし,また一方で,夢づくりプランの中にその「笑い」あるいは「笑顔」という表記がないという御指摘をいただきまして,これは少し考え直さなければいけないと,このようにも思ったところでございまして,ただいま議員からさまざまなお話をお伺いいたしましたが,「笑い」そのものの施策・事業あるいは職員研修などへの活用につきましても,大変楽しい話題・提案をいただいたところでございます。したがいまして,私といたしましては,議員の御提案を決して笑い飛ばすことではなく,いわんや笑い事で済ますということではなく,真摯に受けとめさせていただきまして,今後,笑いの効用等につきましてさらに勉強させていただき,夢づくりプランの関連の施策の中で,あるいは国体関連,さらには観光関連のいわゆるおもてなしの関連の施策の中で,できる限り取り入れるという方向で,これからも検討あるいは勉強させていただきたいと,このように考えております。 以上でございます。 ○副議長(中塚正人君)  教育長宮野正司君。   〔 教育長 宮野正司君 登壇 〕 ◎教育長(宮野正司君)  お答えをいたします。 「笑い」を取り入れた教育についてでございますが,私といたしましては,笑いとはほど遠い心境にこの1年ございます。ただ,こういうときだからこそ笑いを教育へという御質問をいただいたものと思いまして,御答弁を申し上げます。 御紹介のございました増田先生の本,いや実は私も慌てて読ませていただきました。あの本では,小学生たちのユーモアにあふれる詩を通した教育実践などが紹介をされておりまして,子供たちの素直な思いや考えをおおらかに受けとめる大人と,子供たちとの間にはぐくまれた温かい人間関係が感じられ,読んでいて私の方も心が解きほぐされるような気分になってまいりました。 増田先生以外にも笑いを取り入れたという一つの実践例といたしましては,三重県の高校教師でありました吉村英夫氏の「父よ母よ」という本がよく知られております。吉村氏は,現在,地元新聞に月1回掲載されております「一行詩 父よ母よ・息子よ娘よ」の選者としても活躍をされておられます。この企画に応じた実践が県内の学校でも行われておりますし,そのほかにも,従来から川柳を創作活動に取り入れている事例がよく見られるところであります。これらの作品からは,子供たちの鋭い観察力や本音をユーモアに包み込む巧みな表現力がうかがえ,感心させられることがしばしばでございます。 先ほどの「父よ母よ」から二,三御紹介をさせていただきます。「父よ,言いたいことがあったらはっきり言え。母よ,言いたいことはそのまま言うな」,「父よ,そこまであきらめるな。母よ,そこまで期待するな」,「父よ,母よ,僕をつくったのは失敗だ。僕に期待するな。かといってこの年でもう一人つくるなんて思うな」,こうした切れ味鋭いすぐれた作品が生み出せるには,やはり教師や保護者など子供を取り巻く大人が,ユーモアを理解し,温かい目で見守ることが大切でございます。今後,研修会等で「笑い」を取り入れた実践例を紹介しながら,教員の発想転換とか視野を広げるという意識改革や実践の広がりを促してまいりたいと思います。 最後にもう一つ,「おやじ様,幾ら仕事で疲れたからといって,弱気になるのはやめてください。私は,まだあなたを小さいと感じたくはありません」。大きな存在でありたいものです。でも,父はつらいよであります。失礼をいたしました。 以上でございます。 ○副議長(中塚正人君)  36番小田春人君。   〔 36番 小田春人君 登壇 〕 ◆36番(小田春人君)  知事に非常に前向きな元気のいい答弁,それから教育長には,今の心境はありながらも,本当にいい答弁をしていただきまして,ありがとうございます。 これは「生命のバカ力」(本を示す)──生命のバカ力と書いて,「生命(いのち)のバカ力」という本なんですが──筑波大学名誉教授の村上和雄先生が書かれておりますけども。この先生は,レニンという血圧を上げ下げする,そのことの遺伝子の解明を世界で初めてされた,次のノーベル賞の候補にも目されている方なんですが。この方が,血糖値が下がるという実験を去年されたんですね。この本の中に出ておりますけども,それを紹介させていただいたんですが。血糖値を大幅に下げる実験をされたわけです,生命科学や遺伝子工学の大家なんですが。 ここで申し上げたいのは何かといいますと,じゃ笑いというものが遺伝子,要するに,人間の体の中でどういうふうなことをもって笑いが効果を上げていくのかと,笑うとどういうことが人間の体内で起こるかということを解明されているわけですね。人間は,60兆個ぐらいの細胞,最初は一つの細胞が60兆個ぐらいあるわけですが,その一つ一つの細胞の中に核があって,その中に遺伝子があるわけですね,DNA。そのDNAという遺伝子が,今は大分解明されまして,わずか1グラムの1,000億分の1ぐらいの小さなものなんですが,その中に30億ぐらいの情報が詰まっているわけです。その遺伝子のうち97%は使われてないわけですが,わずか3%の遺伝子でも,笑ったり何かをすると遺伝子がオンの状態になると。遺伝子は,いつも動いている遺伝子もありますし,動いていない遺伝子もあると。笑うと眠っている遺伝子がオンになって,それでオンになっている遺伝子もあるときはオフになったりするという。要するに,笑ったりいろんなことをすると,プラス発想をするといいというのも,そういうふうに遺伝子がオンの状態になると。ただ,プラス発想すればいいとか,笑えばいいというのは,医学的に,科学的に解明ができつつありますけども,遺伝子がオンの状態になると。だから,そういうふうないろんな作用が,生理的な作用もあるんだということは今随分わかってきました。ですから,やはり笑う,プラス発想というのは,そういうところまで研究が進んでおりますから,これから行政や教育,あるいは今回やりませんでしたが,次の機会には好評じゃなくても「笑いと警察」というのでやってみようかなと思っておりますが,一番答えにくい問題かもしれませんけども,次の議会ぐらいにやりたいなと思っておりますけども,請う御期待かどうかはわかりませんが。 そういったことでですね,やっぱり笑うというのは,遺伝子がオンの状態になる。いい状態でオンの状態になるというのが,今は医学的に解明されているということも申し上げて,質問のお礼と一言申し上げました。ありがとうございました。 ○副議長(中塚正人君)  19番吉田政司君。   〔 19番 吉田政司君 登壇 〕 ◆19番(吉田政司君)  私にとりましては,ことし余り笑えない年ではありましたけども,今の話でまた元気になりました。ありがとうございました。 また,知事におかれましても,3選おめでとうございます。この4年間は,代表質問でも,うちの景山代表が申しました先送りされました社会保障制度に決着をつけねばならない。また,イラクなどサマーワの問題,平和の問題,そして教育基本法の改正など,本当に日本にとって重大な決断を下さなければならない激動の4年間であります。どうか知事におかれましては,笑ってごまかすのではなく,どうか県民が最後に笑えるような,こういった賢明なかじ取りをどうかよろしくお願いいたします。 それでは,余り笑えない話題につきまして,通告に従いまして質問をさせていただきたいと思います。 まず最初は,協働という言葉と県営住宅の運営についてお伺いしたいと思います。 このたびほど協働という言葉が登場したこともないと思います。振興局再編に関する全員協議会での質問でも触れましたが,この協働という概念はしっかり定義しておかなければならないと思います。「新世紀おかやま夢づくりプラン」には,「夢づくりの共有と協働」の中で「夢づくりの目標を共有し,同じ目標に向かって,それぞれの立場で役割を担い,力を合わせて協働しながら,活力ある地域づくりに取り組む」云々とあります。しかし,これだけでは,なぜ今これまでに協働という言葉が強調されるのかよくわかりませんが,それぞれの立場の役割分担の中身に変化が出てきたのではないかと思っております。 この県営住宅と協働の問題ですが,県と入居している住民のいわゆる町内会との役割分担の話であります。以前から課題になってきております県営住宅の高齢化の問題がございます。老人力とも言われてはおりますけれども,支える老人もいなくなればどうなるのでしょうか。現在では,町内会がなくなってしまった団地もあるようであります。一般の開発された団地もそうでありますけれども,県営住宅を初めとした公営住宅も御多分に漏れず高齢化問題で悩んでいるわけであります。ある時期から高齢の単身者の入居が可能になってきたのでありますけれども,最近では痴呆の方の入居もあるように聞いております。先ほど申しました,ある程度は御近所で支え合うことが大事でありますけれども,これも一定の限度を超えてきますとそうはいきません。 そこで,ここまで高齢化が進んでしまいますと,町内会,自治会にだけ任せるのではなく,仕組みとして何らかの支援が必要ではないかと思います。位置づけとしましては,ケアつき住宅と開発された団地との中間あたり,こういったものを想定して考える必要があるのではないかと思いますけども,単身者の入居を可能にした以上,当然痴呆の懸念のある方も入居する可能性はあります。しかも,公営住宅ですから,困難な問題を何でも自治会に役割分担させるというのではなく,むしろ支援,手当てが必要ではないかと思います。協働は,県民の声をしっかり取り上げていくことのように聞いていますので,都合のいいところだけは声を聞くというのではなく,この公営住宅における高齢化の問題は,すぐれて時代的課題でもあり,ある意味での協働というものを考える非常に大事な課題であると思っております。つまり,どちらかといいますと,ごみの分別とか道路の清掃などのアダプト事業なども,本来行政がしていた事業の住民への肩がわりであり,その傾向はますます強くなってきております。それが悪いとは言いませんが,そろそろどこまでが住民に肩がわりしてもらえるのかの線引きをしっかり検討する時期に来ているのではないかと思い,この質問をさせていただいております。御所見をお伺いいたします。 県営住宅内も,階段の手すりの設置など安全にも取り組んできてはおられますが,幾分にも段差の解消など限りない課題がございます。計画的にお取り組みされるより仕方がないとは思いますが,ユニバーサルデザイン,バリアフリーの時代に入っており,世の中が言われるようなインフラ整備が早急に整うことを期待をしておりますけども,整備の方針についてお伺いしたいと思います。 次に,アユモドキについて伺います。 昨年の9月に,この場におきまして,アユモドキの保護について伺いました。再度伺います。これは,瀬戸町の用水で発見されましたアユモドキの稚魚が,これまでに確認された全国でも唯一の産卵地として貴重な発見となった。これを踏まえての質問でありました。そのときの知事の答弁では,「アユモドキでありますけれども,絶滅の危険性が極めて高いアユモドキの産卵地が瀬戸町内で確認されたということは,これは大変貴重なことでありまして,私といたしましては,このような天然記念物の保護につきましては,当然前向きに対処していくべきものと考えております。」,また「県教育委員会に対しましても,保護のあり方につきまして適切なる支援を行うように伝えておりまして,瀬戸町におかれましても,引き続き前向きなる対応をしていただくように願っているものでございます。」と,また教育長は,「県教育委員会といたしましても,アユモドキの自然繁殖地が発見されましたことは,全国的にも大変貴重であると認識をいたしておりまして,本年度中に出される町の検討委員会の報告を踏まえまして,文化庁とも連携し,適切な保護について,瀬戸町教育委員会に対し指導助言をいたしてまいろうと,このように考えております。」という答弁を昨年いただきまして,これも冷静になり読んでみますと,笑ってごまかされたような答弁だったような気がいたしますけども,その後どうなったのか,改めて知事の御所見,また教育長には,町に対する支援の状況と今後の方針についてお伺いをしたいと思います。 続きまして,弱視・斜視治療用矯正眼鏡について伺います。 弱視といいますのは,眼鏡やコンタクトで矯正しても視力が出ない目のことを言います。裸眼視力がたとえ0.1であっても,眼鏡などで矯正して1.0の視力が出れば弱視とは言いません。弱視の原因は大きく2つに分けられます。1つは,先天性の白内障などの重い目の病気があるなどが原因で視力が悪いもの。もう一つは,視力の発達する2,3カ月のころから3歳ごろまでの幼児期に斜視や強度の屈折異常,これは遠視,近視,乱視などがありますが。鮮明な映像を映していない目から得られた情報が抑制され,正常な,もしくは異常の少ない目のみが働くようになり,視力が上がらなかったものであります。特に,屈折異常が原因の場合は,原因に適切な対処をすることにより視力の改善が望めるわけであります。治療は,低年齢であればあるほどよい結果が期待できます。一般的に,8歳から10歳程度で視力の発達はとまるものと考えられておりますが,個人差も大きく,7歳で弱視に気づいた場合でも矯正視力が1.0までに回復したケースもあるようです。これはいわゆる就学前の健診で気がついたという,こういった場合であります。弱視治療の基本は,何といいましても,眼鏡による屈折矯正だそうです。眼鏡で矯正して網膜にピントをきちんと合わせ,鮮明な像を脳に送り,視機能の発達を促すことが治療の基本となります。また,片方の目のみが特に視力が悪い場合には,健全な方の目をアイパッチと呼ばれる大きなばんそうこうのようなもので遮へいしたり,やはりよい方の目にアトロピン等の目薬を点眼し,わざと見えにくくして,悪い方の目の視力の発達を促す方法も多くとられているそうであります。弱視の目は疲れやすいものです。小さい間は余り不便を感じることもないかもしれませんが,学校に行くようになると,長く教科書を読むことがつらくなったり,勉強に集中することができないかもしれません。また,大人になって不便を感じるようになったとしても,目の成長がとまってしまった後には,手の施しようがありません。両目ともある程度の矯正視力がなければつけない職も,数は減りつつありますがまだあります。何よりも完全な方の目に何かあったときには,悪い方の目だけで生活をすることになるのです。最悪の事態も考慮に入れて,できる限りのことをしていくことが大切であります。 この児童の眼疾患治療に必要な装具等に保険給付を求める動きが今あります。厚生労働省は,眼鏡は療養費の支給対象となる補装具から外すとの通知を出しておりますが,これに対し,児童の治療用眼鏡,コンタクトレンズ等は治療用装具であり,被保険者として,保険者から療養費の支給を受ける権利がある,また,こういった事例も若干出始めておりますから,被保険者に対しまして保険申請を勧め,保険者には療養費の支給を行ってもらえるよう要望していこうというものであります。専門家の中にも,乱視,近視の眼鏡とどう違うのかといった判断が困難な面がありますが,治療材としての矯正用の眼鏡は全額自己負担で,1個当たり3万円くらいかかるそうであります。幼児期には数回の交換が必要になってきているようであります。 そこで,この弱視・斜視治療用矯正眼鏡に対する保険適用をどのようにお考えになるか,また国に要望していただくお考えはないか,さらに県による補助制度などは考えられないか,あわせて保健福祉部長にお伺いいたします。 次は,県税の収納率向上に向けてお伺いしたいと思います。 第3次行革の2年目の予算編成を前にいたしまして,予算の作成の方針もどうしても歳出をいかに抑えるかが中心になりますが,一方,歳入の問題も大切であります。1分1円を大切にとも言われますが,一つ一つのことを丁寧に対応することが大切になります。 そこで,以下,総務部長にお伺いいたします。 まず,岡山県の近年の県税の収入率及び滞納の金額と滞納整理の状況はいかがでしょうか,お伺いいたします。 次に,先日,東京都で全国地方税滞納整理部門責任者会議,いわゆる徴収サミットが開催されました。47都道府県を初め13政令指定都市などの責任者が一堂に会し,滞納整理部門における先進的な取り組みや滞納整理をめぐる事例発表,意見交換が行われました。滞納金の徴収も,その徴収コストや方法などまだまだ工夫改善の余地があるのではないかと思います。長引く不況や景気の低迷,失業者の増加などの時代背景からも,税などの収納も厳しいものがあると思います。悪質なものだけではなく,効率的な徴収の仕組みが必要ではないかと思うのです。先ほどの徴収サミットでも紹介されていたと思いますが,電話による自動催告システムが効果を上げているようであります。従来の書面による催告の繰り返しと,最終的には職員の訪問という流れに変わり,電話を使用するというものであります。初めに,滞納者リストからシステムが自動的に滞納者に電話をかけます。滞納者が電話に出ると職員につなぎ,職員のパソコン画面に滞納者情報を表示します。職員は,パソコン画面を見ながら催告業務を行うことができます。つながらない電話は,つながったこと,つながらないことをシステムが情報として取得し,そのまま次の滞納者に電話をかけていきます。このようなシステムですから,職員はつながった電話の催告折衝に専念できるわけであります。最近の導入実験の報告では,電話がつながらなかった場合と比較して,電話がつながった場合の収納が2倍近い効果を上げているところもあるようであります。徴収コストがつきまとうこの問題であります。本県でも導入を検討すべきではないかと思いますが,いかがでしょうか。 また,これに限らず,本県における滞納整理の取り組み状況及び今後の方針についてあわせてお伺いをいたします。 最後に,精神障害者の社会復帰の受け皿についてお伺いします。 報道によりますと,厚生労働省は,本年9月に出した「精神保健医療福祉の改革ビジョン」の中で,「入院医療中心から地域生活中心へ」という精神障害者福祉施策の基本的な方向を示し,精神病院に現在入院している人のうち受け入れ条件が整えば退院可能な者,これが全国で約7万人ぐらいいるそうでありますけども,その人たちについて今後退院促進を図っていく方針ということが報道されておりました。病状が安定しているにもかかわらず,長期入院を強いられる状況も問題であろうかと思いますが,一方で,地域住民が安心して受け入れることができるような手だてを打つことも必要であります。このような方々の受け皿について,どのようにお考えになっておられるのでしょうか,御所見をお伺いいたします。 以上で質問を終わります。どうか明確な御答弁をよろしくお願いいたします。 ○副議長(中塚正人君)  答弁を求めます。 知事石井正弘君。   〔 知事 石井正弘君 登壇 〕
    ◎知事(石井正弘君)  公明党の吉田議員の質問にお答え申し上げます。 その前に,先ほどは,私の3選につきまして,お祝い並びに激励のお言葉を賜りまして,ありがとうございました。激動の時代,これからも全力で岡山県発展のため,粉骨砕身の努力をしてまいる所存でございます。 県営住宅につきまして,協働と県営住宅の運営についての御質問でございますが,入居者の決定,入居条件の遵守などにつきましては,これは設置管理者であります県の責任で行っておりまして,団地町内会は地域の町内会と同様の自治組織といたしまして,団地内の庭,通路などの共同施設の運営,維持管理などを行って,県と町内会がそれぞれの役割を分担しながら運営をされるべきものであると基本的には考えております。現在,町内会員の高齢化など,社会的問題が生じているところでございますが,今後とも,県営住宅の円滑な運営が図られますように,町内会と協働して取り組んでまいりたいと存じます。 バリアフリー整備でありますが,建てかえをする県営住宅におきましては,その機会をとらえまして,段差の解消,手すりの設置,廊下の拡幅など,だれもが使いやすいユニバーサルデザインの考え方を導入しております。また,その他の県営住宅につきましては,階段への手すりの設置や玄関ドアをレバー式に取りかえる工事などを順次進めております。これからも,この方針に沿いまして整備を進めてまいりたいと思います。 アユモドキの保護でありますが,地元瀬戸町では,アユモドキの保存・活用に向けましたさまざまな取り組みがなされていると聞いております。また,本年7月には,アユモドキが環境省の国内希少野生動植物種に指定されたこともありまして,保護の重要性はますます高まってきていると認識をしております。私といたしましても,教育委員会と連携をしながら,できる限りの前向きの対応をしてまいりたいと思っております。瀬戸町からのフロンティアの事業の取り組み,こういったことにも県として支援をさせていただいております。具体的な中身につきましては,教育長の方から後ほど答弁があろうかと思います。 精神障害者の社会復帰の受け皿づくりでありますが,県では,第2期障害者長期計画に沿った精神障害者グループホーム,地域生活支援センター等の整備や,心の健康づくり県民講座事業等によります精神障害者に対する偏見の解消に努めてきております。精神障害者の社会復帰を促進していくためには,何よりも地域の人たちの理解と支援が重要であると,このように考えておりまして,保健所,精神保健福祉センター等が中心となりまして,市町村,精神科医療機関等と連携をいたしまして,地域ぐるみでの支援体制の整備を図ってまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○副議長(中塚正人君)  総務部長前田一浩君。   〔 総務部長 前田一浩君 登壇 〕 ◎総務部長(前田一浩君)  お答え申し上げます。 県税の収納率向上に向けた取り組みについてお尋ねいただきました。 まず,滞納等の状況についてでございますが,厳しい経済状況が続きました結果,収入率は低下傾向にございまして,また滞納額も増加傾向にございますが,平成15年度の収入率は96.1%,滞納額は約68億円と,前年度に比べまして,収入率につきましては横ばい,また滞納額につきましては1,200万円増加しているという状況でございます。 滞納整理の状況につきましては,市町村が徴収いたします個人県民税を除いた平成15年度の滞納額約44億円のうち,その約4割を占めます約16億円につきまして差し押さえ等を行っておりまして,今後,換価処分等による税収の確保を図るとともに,残る滞納額につきましても,納税交渉による納付や差し押さえ等,厳正な滞納処分に努めることとしております。 次に,電話による自動催告システムについてでございますが,効率的な電話催告ができるということから,一定の効果はあると認められるというふうに考えております。しかしながら,納税交渉の結果がそのまま納付に結びつく割合や収入率向上への反映度を十分検証いたしますとともに,導入に要する経費等との費用対効果を総合的に検討する必要があるものと考えております。いずれにしましても,今後,こうしたシステムを含めまして,効率的な徴収対策につきまして研究してまいりたいと,かように考えております。 最後に,この滞納整理等にかんがみまして,その他の取り組みということでございますが,税収の確保はもとより,税負担の公平性を確保するという観点から,滞納整理への取り組みというものは大変重要なものであるというふうに考えております。このため,夜間催告,市町村との連携による個人県民税の共同徴収等に取り組むとともに,本年度からは徴収嘱託員による訪問徴収というものを実施しております。これにつきましては一定の成果を上げているものと,かように考えております。また,休日徴収にも取り組んでおりまして,先日,12月5日の日曜日にも実施したところでございます。今後とも,効果的な滞納整理に積極的に取り組むことによりまして,滞納額の縮減になお一層努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(中塚正人君)  保健福祉部長宮嵜雅則君。   〔 保健福祉部長 宮嵜雅則君 登壇 〕 ◎保健福祉部長(宮嵜雅則君)  お答え申し上げます。 弱視・斜視治療用矯正眼鏡についてでございますが,保険適用や県による補助制度などのお話がございましたが,医療保険は疾病,負傷等に対して療養の給付を行うものであり,眼鏡は一般的にこれに該当しないとされておりますが,国においては,療養の給付の対象とするか否かは,医学会等の見解を踏まえて検討するとしておりまして,県としてはその動向を見守ってまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○副議長(中塚正人君)  教育長宮野正司君。   〔 教育長 宮野正司君 登壇 〕 ◎教育長(宮野正司君)  お答えをいたします。 アユモドキの保護に対する町への支援についてでございますが,現在,地元瀬戸町では,検討委員会を設置し,アユモドキの保存・活用に向け活発な取り組みがされております。今年度は,県のフロンティア21地域活力創出支援事業を活用しながら,アユモドキの保護を目的とした生態調査の実施,一般住民を対象とした展示やシンポジウムの開催,小中学生を対象とした水辺教室を行うなど,普及啓発活動を実施しておられまして,保護に対する機運は高まりつつあると考えております。県教育委員会では,文化庁とともに,当初からこの検討委員会に参加し,アユモドキの適切な保存や活用方法について指導助言を行ってまいりました。今後,町では,保存・活用に向けて新たにアユモドキの人工増殖を計画するとともに,調査・展示等の普及事業も継続することとされておられます。県教育委員会といたしましても,町の要望を踏まえ,文化庁に働きかけるなど,引き続き支援をしてまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○副議長(中塚正人君)  この際,午後1時まで休憩いたします。        午前11時56分休憩   ~~~~~~~~~~~~~~~        午後1時0分再開 ○議長(千田博通君)  休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を継続いたします。 11番波多洋治君。   〔 11番 波多洋治君 登壇 〕 ◆11番(波多洋治君)  皆さん,こんにちは。 一般質問の最終日,お疲れの午後一番に質問させていただきます。自由民主党県議団の波多洋治でございます。私見と提言を交え,教育問題を中心に,知事並びに教育長に質問させていただきますので,誠意ある御回答をよろしくお願い申し上げます。 まずは,県民の信託を受けられました石井知事の3選,本当におめでとうございます。石井知事の本県行政に対する取り組みは,まことに誠実で一生懸命,人間的にも優しく,温かく,県民から絶大な信頼を得ております。どうか,これからの4年間,新鮮に,かつ大胆に,勇気を持って総仕上げに当たっていただきたいと思います。と同時に,一方では,断崖絶壁に立たされる思い,背水の陣を引いての勝負の4年間という決意も必要であろうかと思います。また,知事同様に,我々県会議員も,また,選挙区こそ小さいけれども,県民の厳しい洗礼を受けてこの議場に集まるものであります。ゆめゆめ,私どもの追求を軽んじることなく,ともに県民福祉のために切磋琢磨をしていただきたいと念ずるものであります。 さて,私は,10月25日午後5時55分,埼玉県の上里町という小さな町で中越地震に遭遇しました。三たび立て続けに起こった激しい揺れに,国体前夜祭の会場は騒然といたしました。翌朝,とんぼ返りで帰岡,テレビに流される情報は,まことに痛々しいものでありました。「水が欲しい」,「食べ物がない」,「着るものがない」,「毛布がない」という声を聞くたびに,同じはらからとして涙せずにはおれませんでした。12月10日,新潟県中越大震災災害対策本部が発表した被害状況は,死者40名,家屋全壊2,729,大規模半壊9,453,一部損壊8万5,118,公共施設3万4,259棟,道路6,062カ所,河川229カ所,がけ崩れ422カ所に及ぶ甚大な被害であります。また,避難を強いられている者2,644人,山古志村にあっては,被害認定の進捗状況はいまだ0%,そして1,395人が避難したままふるさとにも帰ることができないのであります。支援者のおばちゃんが,ペットボトルとインスタントラーメンを持ってきて,「このくらいなら私にもできます」と,「何とか届けてくれないか」と言う。痛みを分かち合い,痛みを和らげようとするこの善意こそ,私たちは大切にしなければいけないのではないか。私は,災害救援対策担当部署にお願いをしました。このささやかな善意を結集する場所はないのか。例えば,学校の体育館とか公民館とか,またそれを迅速に届ける方法はないのか。残念ながら,全くそのような心構えもなければ,準備もありませんでした。私の支援者は,直ちに行動を開始しました。集めた2リットル入りのペットボトル千百数十本に還元水を詰めて,義援金とともに地震被災地に届けようとしたのであります。新潟県に連絡をとりました。「地元の警察署で緊急車両の許可証をとってきてください。」そこで,警察署にお願いしました。すると,「地元というのは新潟のことじゃないですか」と言う。さらに,「緊急車両の許可をとるなら,前もって公安委員会に手続をして許可証をもらってきてください」と。岡山市にもお願いに参りました。対応した言葉とは裏腹に,緊急車両の許可をお願いする申請書すらありませんでした。一刻の猶予もありません。支援者行動隊は,2トン車とワゴン車に9人が分乗して,新潟県越路町役場にたどり着き,無事に所期の目的を果たすことができました。帰りは,役場から緊急車両許可証をもらって帰ることができたのであります。 以上,中越地震にかかわる緊急対応の体験を申し上げましたが,県民の善意を結集する場所や被災地に迅速に届ける方法等,知事の御所見をお伺いして,第1の質問とさせていただきます。 知事は,本会議提案説明の中で,新潟県と連携をとりながら救援物資の提供を行ったと話されましたが,我々庶民のささやかな善意を酌み取ることができずに,何が連携ですか。世に,「役人は」とか,「お役所仕事は」とか,半ば嘲笑的に,半ばやゆ的に話していることがあるのは御存じでしょう。役所にあぐらをかいてすぐさま行動しようとしない,まさにこれがいい例ではないですか。冒頭申し上げた,私どもの追求を軽んじる行為とは,まさにこのことなのであります。県民が行政を頼りにお願いしても,実に冷たい対応であったり,たらい回しであったり,すぐに動かなかったりというようなことが時にあります。行政サービスの根本に立ち返り,御答弁をいただきますようお願い申し上げます。 次に,議会初日の知事提案の特別支援教育について,教育長にお伺いいたします。 知事は,「従来の特殊教育に加え,今日的課題である学習障害や注意欠陥・多動性障害などの軽度発達障害も含めた障害のある子供たちへの支援を推進する」と説明されました。現在,2,336名の児童生徒が引きこもりやいじめ,自閉症などのために不登校になっているそうであります。これらの不登校児童生徒は,知事説明の特別支援教育の範疇に入るかどうか,お教えください。 さて,本年11月13日,私は,かつての津賀西小学校の跡地を利用して展開している「のびのび小学校・希望中学校」を訪問いたしました。4月には,教育長ほか両次長6名で訪問をされた由,十分におわかりのことと存じます。ここは,吉備高原の大自然の中で登校支援を必要とする児童生徒たちが,「生活すべてが学び」をテーマに,全寮制教育を実践している小中一貫校であります。理事長,学園長を中心に,教師,児童生徒,保護者一体となり一生懸命の取り組みを拝見させていただきました。現在,小学生14名,中学生30名が在籍をしておりますが,うち55%は県外児童生徒であります。授業料,寮費等で年間学校への納入金は80万円程度,私学助成もありますが,それでも年間四,五百万円の赤字だそうであります。来年度からは,120万円に納入金をアップするということであります。義務教育費を単純に頭割りすると,普通学級の児童1人当たり約95万円,これが特殊学校になりますと950万円相当になります。私学助成がどのように算定されているのかわかりませんが,もしこの希望学園に学ぶ子供たちが普通学級の扱いではなく,知事説明の特別支援教育の範疇に属すると判断されるならば,つまりこの登校支援を必要とする不登校児童生徒たちが普通学級と特殊学級の狭間に存在すると認定されるならば,私学助成の算定基準もおのずから違ってくるのではないかと思われます。今日の学級崩壊現象の中で,さまざまな原因を抱えつつ,なお公の義務教育の恩恵に浴することのできない子供たちのために,一生懸命に頑張っている民間の私学運営をいささかでも応援したいという思いで申し述べさせていただきました。知事の提案説明ではあり,かつ所轄は総務部総務学事課ではありますが,ここは教育行政専門官の教育長の御所見をお伺いしたいと存じます。 続けて,教育長さんにお伺いいたします。 教育長さん,相次ぐ教職員の不祥事にさぞかし頭が痛いことでしょう。心からの御同情を申し上げます。12月10日に,文部科学省の平成15年度のわいせつ行為やセクシュアルハラスメントで懲戒処分や諭旨免職になった公立学校の教育職員の調査発表がありました。その数字は,2年連続で過去最多となったということであります。調査発表によりますと,実に1,359人が懲戒処分を受けたとあります。処分の理由は,交通事故636人,国旗掲揚・国歌斉唱の取り扱いにかかわるもの194人,体罰173人,わいせつ行為等155人,公費の不正執行または手当の不正受給17人の順となっております。 岡山県の実態はどうでしょうか。我が国は法治国家でありますので,法を犯せば法に従って罰せられ,罪に服するわけでありますが,教職員の不祥事については,当事者だけの罰則で済む問題ではありません。教育の根幹である信頼の2文字を傷つける行為は,はかり知れない信用失墜の悪影響を及ぼすものであります。教育長は,本県教職員の不祥事に対してどのように考えているか,率直なお気持ちをお聞かせください。 教職員の不祥事は,法の処分のみならず,厳しい行政処分が科せられてしかるべきであり,それは当然のことながら,教師の監督責任にある者にも及ぶべきであります。教育長御自身の処分も聞いておりますが,処分終了で万事終了ではなく,何よりも教育長は責任をとるということは,信頼回復のために教育諸活動に全力を投入することであります。教育長は,11月19日の文教委員会において,「責任の重大さを痛感し,教育界全体の信頼回復に強い決意を持って臨む」とのあいさつをされた由,教育長は,かかる不祥事を繰り返さないために,その原因をきちんと究明され,教育長の強い決意に基づいて問題解決の具体的方策をどのように考えているのか,いささかの怒りと歯がゆさを持ってお伺いすると同時に,もう少し本気で取り組んでもらいたいと念願するものであります。 さて,この信頼回復の施策として,ぜひとも視野に入れておいていただきたいことを幾つか申し述べてみたいと存じます。あわせて,教育長の御所見を承りたいと存じます。 まず,行政改革を断行し,施策を焦点化集中化することであります。平成15年度の主要施策成果説明書の中の教育委員会関係の内容が多岐にわたり過ぎておりますということであります。説明書によりますと,教育委員会は,1,生涯学習の振興,2,家庭,地域社会の教育力の充実,3,学校教育の充実,4,スポーツの振興,5,伝統文化の振興という5つの分野を担当しております。現在,本県においては,9つの地方振興局を3つの県民局に再編するという第3次行革が進行しておりますが,教育委員会にあっては,生涯学習と伝統文化の振興は生活環境部へ,家庭教育は保健福祉部へ,地域社会の振興は生活環境部または保健福祉部へ,スポーツの振興は現在の国体・障害者スポーツ大会局を発展的にスポーツ振興局の創設へというように,4つの業務をすべて知事部局に移管し,教育委員会としては,あくまでも学校教育に的を絞って組織をスリム化して,学校教育の正常化に向けて全力投入をしたらいかがでしょうか。知事が教育委員会の組織改編を申し上げれば,不当な支配に服することになりかねませんから,ここは教育長みずからが教育委員会の行政改革を断行するべきときではないかと思います。 次に,主要施策成果説明書によりますと,教職員の資質向上の職能に応じた研修の欄に申しわけ程度に,校長・教頭研修というのが載っております。学校現場にあって校務をつかさどり,所属職員を監督するのは校長であります。校長研修を充実させることこそ,学校教育再建の第一歩であると思います。この校長にさらなる権限を持たせ,教師の指導力と学校経営能力を磨いていただくための研修をいかに充実したものにするかが,学校教育再建のかぎを握っていると存じます。同様に,学校現場で力を持つPTAへの指導はどのようになされているのでしょうか。教育再建のために,私は教育委員会がもっとPTAに対して指導力を発揮し,そのあり方をただしてもいいのではないかと思います。なるほど教職員の不祥事はありますが,たとえそうであっても,自分の子供を学校に預けるわけでありますので,親としての基本的な姿勢は「よろしくお願いします」であります。教師は,自信を持ってその負託にこたえなければなりません。しかるに,親が数人集まれば時に教師のうわさ話,また批判,話題の種になります。ここは,教師の悪口を言わない運動をすべての家庭に広めるべく,ぜひとも教育委員会の提唱により,PTAに働きかけをしていただきたいと思う次第であります。 次は,組合員に関する問題について,教育長にお伺いいたします。 県教職員組合は,地方公務員法第52条勤務条件の維持改善を図ることを目的として結成されたものであります。当然のことながら,教職員は公務員であり,同法第30条の服務の基本基準に明記されているごとく,全体の奉仕者として公共の利益のために勤務しなければなりません。そして,教育基本法第8条「特定の政党を支持し,またはこれに反対するための政治教育,その他政治活動をしてはならない」と規定されております。このことこそ,教育の政治的中立を守る規定であります。しかるに,県教組は,その膨大な資金力を持って11月中旬,山陽新聞紙上3分の1ページを割いて,教育基本法改正反対の意見広告を掲載いたしました。このことに対する教育委員会の判断はいかがなものか,お教えいただきたいと存じます。 ちなみに,11月29日,東京日比谷公会堂で開かれた教育基本法改正を求める中央国民大会には,全国から2,500名の国会並びに地方議会議員が一堂に会し,350万人の国民署名,33都県236市区町村の議会決議,388名の国会議員賛同署名が発表されております。 さて,先ほど国旗掲揚・国歌斉唱に反対して,東京都教育委員会が179人を懲戒処分したことで象徴されるように,日教組は左翼偏向の立場で,教育現場に特定のイデオロギーを持ち込み,特定の団体と提携し,あらゆる教育問題を混乱と混迷に陥れ,なお今日も不正常な状態が継続されております。日教組に対して,教育委員会はどのような認識をしておるのか。教育は不当な支配に服することなく,国民全体に対し,直接に責任持って行われるべきものが教育行政ならば,例えば農林水産部に組合指導課があるごとく,県教委には教育の政治的中立を守るために,県教組等外郭団体に対する対策課があってもしかるべきではないか。昨年12月定例議会において,教科書問題を教育長にお尋ねしたとき,日教組作成の教科書チェックリストすら持ち合わせていない状況で,どうして日教組対策ができるというのですか。私は,日教組がいかなる思想信条を持とうとも,それは自由であると思っております。ただ,その思想を教育現場に持ち込むところに誤りがあり,戦後教育の混乱の最大の原因があると思っております。私は,教職員が団結して組織をつくるならば,本来的には,職能団体であるべきだと思っておりますが,それでも地公法第52条に基づく勤務条件の維持改善を図る職員団体ならば,あえて反対するものではありません。私は,我が子を日教組に預けたわけではありません。国法に基づいて当たり前の国民教育が実践され,特定のイデオロギーに毒されない普通の学校に預けたのであります。県民の,この素朴で最低限の思いを,せめてもかなえてくださるよう,岡山県教育委員会並びに教育長に切にお願いを申し上げる次第であります。 時間も残り少なくなってまいりました。知事並びに教育長に申し上げたいこと,お尋ねしたいことは多々ございますが,次回の定例議会に回すといたしまして,最後に,4つのお願いを申し上げておきたいと思います。 その第1点は,私は決算特別委員会委員でありますが,各部局から平成15年度の主要施策の報告をいただきますが,しょせんは既に執行された施策概要の審査であります。当然,各部はその施策事業計画に基づいて予算が配当され,執行されるわけでありますが,次年度の各部局の主要施策の計画をこの議会で聞くことはありません。なるほど,知事の県政推進の所信表明並びに総括的提案説明はありますが,各部局がどのようなビジョンやプランに基づいて施策を展開しようとしているか,予算書のみならず主要施策書もまたお示しいただきたいと,議会招集の権限を持つ知事にお願いを申し上げる次第であります。 その第2点は,先般の台風23号のとき,笹ヶ瀬川白石・花尻付近は,増水のため2,000から3,000個の土のうを積んで辛うじてオーバーフローを免れました。あと一時間雨が降り続いていたらと思うと,背筋の寒くなる思いがいたします。必死に作業してくださった岡山地方振興局建設部,岡山市消防団に対して,厚く御礼を申し上げますとともに,足守川,笹ヶ瀬川全域の,速やかなる河川改修をお願い申し上げる次第であります。 その第3点は,前回の9月定例議会で,土木部長にお尋ねした議第81号工事請負契約の案件であります。土木委員会に付託されたこの議案は,入札後の契約直前に警察の強制捜査を受けた事実を深く受けとめ,さらに慎重に審議するとの意見が多数を占めることとなり,継続審査とされたものであります。いやしくも,知事提出案件が議会の良識ある判断によって保留されたことに対して,知事のいかなる弁明もありませんし,その後の経過報告もありませんし,本議会への再提案もありませんでした。公共事業の入札や契約問題に関しては,常に公正,クリーンに対処していただきますようお願い申し上げる次第であります。 そして最後に,北朝鮮拉致問題であります。事もあろうに,めぐみさんの遺骨として渡された骨が別人と判明した事件であります。国家対国家の責任ある外交交渉においてにせものをつかませるとは何たる侮辱。かくまで我が国を愚弄することは許されることではありません。当然経済制裁を発動してしかるべきであります。このことは,教育基本法早期改正を要望した議会決議と同様,日本全国津々浦々から,国民の怒りが沸き起こるものと思われます。本県でも,拉致家族支援並びに北朝鮮制裁の決議を行うべきときではないか。議員諸兄並びに行政幹部諸氏にお願いを申し上げる次第であります。 以上で一般質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。 ○議長(千田博通君)  答弁を求めます。 知事石井正弘君。   〔 知事 石井正弘君 登壇 〕 ◎知事(石井正弘君)  自由民主党の波多議員の質問にお答え申し上げます。 その前に,私の3選につきまして祝意をお示しいただきまして,本当にありがとうございました。御信任いただきましたこの4年間,全力投球で県政推進のため邁進をしていく覚悟でございます。 御質問は,災害時に,県民の善意を結集する場所等についてでございますが,新潟中越地震におきまして,その際,救援物資の提供などにつきまして積極的に行動されました県民の方々に対しまして,心より敬意をあらわさせていただく次第でございます。県におきましては,新潟県に対しまして,救援物資の提供を初めといたしまして,心のケア活動チームの派遣を行うなど,積極的に支援に努めてきているところでありますが,この救援物資の提供ということにつきましては,新潟県と受け入れの協議を行いまして,そして被災地が御承知のとおり混乱をしております。その中で,新潟県の意向に沿いまして必要とされる物資を提供すると,このようにしたところでございます。本県でも,具体的には協議・調整をしていく中で,土のう袋あるいは防水シート──これも問い合わせをしまして数日たってから回答があったわけでございますが,やはり現地が相当混乱し,また市町村との連携といったことで,新潟県もさまざまな協議調整されて時間もかかった。ニーズに合致をした救援物資の提供をお願いできればと,一つの物資が全国各地からたくさん集まって,それが必ずしも各市町村の要望にマッチしてないといったようなことも背景にあったようでございますが,いずれにいたしましても,県庁に問い合わせをいたしまして,そのニーズに合致したものを提供するということで,県として対応してまいりましたし,民間の善意ある方々の御提供されました救援物資等につきましても,そのような対応をさせていただいたところでございます。御理解を賜りたいと思います。県民の善意を結集いたしまして,迅速に対応する方法等につきましては,これからも被災地のニーズを踏まえまして,適切なる対応に努めてまいりたいと存じます。 なお,さまざまな県庁等との接触の中で,冷たい対応あるいはたらい回し等々のお話をちょうだいいたしました。事実であるとすればまことに遺憾でございまして,私は,常日ごろより,県政は県民のためにある。そして,県民の皆様の立場に立ってサービス県庁でなければいけないと,こういうことを県職員に指示しているわけでございますが,改めて,これからも機会あるごとにその趣旨を徹底してまいりたいと思っております。 以上でございます。 ○議長(千田博通君)  教育長宮野正司君。   〔 教育長 宮野正司君 登壇 〕 ◎教育長(宮野正司君)  お答えをいたします。 まず,特別支援教育についてでございますが,お話の不登校児童生徒のすべてが特別支援教育の範疇に入るわけではございません。ただ,高機能自閉症とか学習障害等の児童生徒の中には,周囲との人間関係がうまく構築されないとか,学習のつまづきが克服できないといった状況が進み,不登校に至る事例も報告をされております。特別支援教育では,知的障害や肢体不自由等の従来からの障害に加えまして,こうした新たな障害への対応が求められておりまして,今後,障害のある児童生徒の持てる力を高め,自立や社会参加に向けて必要な支援を行ってまいりたいと考えております。 次に,教職員の不祥事にかかわる本県の実態についてでございますが,平成15年度に懲戒処分を受けた教員は,酒気帯び運転が2人,体罰が1人の合わせて3人となっております。 次に,教職員の不祥事についての所見でございますが,本年度に入り,教職員の不祥事が相次ぎ,再発防止に向け教育関係者が一丸となって努力しているさなかに,教育委員会事務局職員までもが不祥事を起こしましたことはざんきにたえず,おわびの言葉も見つからないのが率直な,正直な気持ちでございます。こうした不祥事により,学校教育に対する県民の信頼が大きく損なわれたことに対し,改めて県議会並びに県民の皆様方に深くおわびを申し上げる次第でございます。 次に,問題解決の具体的方策についてでございますが,教育委員会では,子供の人格形成に大きな影響を与え,範を示すべき教職員には,一段と高い倫理性と自律心の堅持が求められており,その自覚の欠如が不祥事の主たる原因であると考え,校長会等の関係団体と共同で緊急アピールを発しますとともに,緊急の校長会議等において,各学校における具体的な取り組みを指示いたしました。その取り組みに資するため,不祥事防止リーフレットや懲戒処分の指針を作成し,一人一人の教職員の心に届くよう,校内研修で徹底を図っているところでございます。さらに,教育委員会事務局の各課におきましても,不祥事防止のための取り組みを行っております。今後とも,一人一人の教育関係者が改めて職責の重要性について自覚を深めるよう,再発防止と信頼回復に向け決意を新たに取り組んでまいる所存でございます。 次に,教育委員会のスリム化についてでございますが,教育委員会は,戦後,地方の実情に即した教育行政を展開するため,首長から独立した行政機関として設置されたものであります。教育委員会では,学校教育のほか,法律に定める社会教育,スポーツ,文化財保護を所管いたしているところでございます。現在,中央教育審議会におきまして,首長と教育委員会の権限についても審議がなされており,その結果を踏まえますとともに,県民ニーズに的確に対応できる教育行政のあり方について,今後,検討してまいりたいと存じます。 次に,校長研修についてでございますが,今年度は,すべての新任校長を対象に,学校が子供や保護者の期待にこたえ,教職員の資質能力の向上や組織の活性化を図るよう,民間の専門講師による組織マネジメント研修を実施したところであります。お話のように,校長の指導力や経営能力の向上は,さまざまな教育課題に対応し,教育改革を推進していく上で非常に重要であると認識をいたしておりまして,来年度は,すべての校長を対象とした組織マネジメント研修を初めとし,学校の危機管理や評価制度等に関する専門研修の実施など,校長研修の充実を図ってまいることといたしております。 次に,PTAに対する指導についてでございますが,PTAの構成員である保護者と教職員には,それぞれに課せられた役割を自覚し,その責任を果たすことが大切でございます。お話のような教員への悪口だけでなく,保護者への悪口,さらには夫の悪口,妻の悪口など,特に子供の面前で言うことは教育上マイナスになることがしばしば指摘をされております。教育委員会によるPTAへの指導は,法によりますと,「その求めに応じて」行うこととされておりますが,御提案の趣旨につきましても,PTA研修会等において,保護者の方々に訴え,お互いに共通理解を図りながら,子供の健やかな成長のために一致協力して取り組んでいただけるよう働きかけてまいりたいと思います。 次に,教育基本法改正反対の意見広告についてでございますが,教員には,教育基本法のほか教育公務員特例法等の法令により,厳しく教育の中立性の確保が求められております。今回の意見広告は,職員団体として教育基本法の見直しについて意見を表明したものであり,このことだけをもって法に抵触するとは考えられませんが,個々の教員には教育の中立性の確保が求められていることを常に留意しておかなければならないと考えております。 次に,日教組に対する認識でございますが,かつての文部省との対立の構図を最大の不幸であるとし,対決・反対から協調に向け,参加・提言・改革の方向に転換しつつあると聞いております。 最後に,対策課の設置でございますが,県教育委員会は,職員団体に対しましては,労使相互不介入の原則に立って対応をいたしております。教育の中立性の確保につきましては,個々の教職員に対し,厳正に指導いたしておるところでございます。 以上でございます。 ○議長(千田博通君)  11番波多君。   〔 11番 波多洋治君 登壇 〕 ◆11番(波多洋治君)  再質問をさせていただきます。 岡山に先憂後楽という後楽園ございますけども,私は,行政の根本に立ち返ってというのは,まさにここにあるのではないかと思っております。行政に対して何をしてくれ,かにをしてくれという,そういうことではなくて,まさにジョン・F・ケネディが,国に対して何をしてもらうかということではなくて,何ができるかということで話されましたけども,僕はこういう災害のときに,名もなき市民,県民の善意が集まってくるというのが,実は本来的なあり方のような気がしますし,それは日本人の美しい心,健全な心が発露している場面でありますので,そんな思いを大切に受けとめるという基本的な姿勢が我々になければいけないし,それは,ただ単に権力関係だとか法の関係とかということではなくて,もっとそこは,市民,県民,行政一体となるというような部分がそこにあるんではないかと思いますので,そういう対応をお願いしたいなあという思いで申し上げたわけであります。 それから,教育長さん,私も,いろいろ調べてみたんですけれども,もちろん教育委員会が持っている5つの分野というのは,法に基づいて執行されているということは,当然のことであります。地方教育行政の組織及び運営に関する法律,昭和31年6月30日施行のものですけども,この第3章教育委員会の職務権限,23条の5項に教育課程,学習指導,6項に教科書,教材の取り扱い,12項に社会教育,13項に体育,14項に文化財の保護が入っておるわけです。もちろん至極当たり前のことです。しかしながら,地方自治法の第2条地方公共団体の事務扱いのところを読んでみますと,第3項の5に,学校,研究所,図書館,公民館,体育館,美術館等に関する施設を設置,管理,規制,事務を行うことができると書いてございます。また,現在,先ほど申し上げました総務学事課対象の私立学校の扱いなんですが,これは地方自治法の第24条に,私立学校の事務管理,執行をすることが書いてございますが,同時に,その180条の2項に,教育委員会に委任することができるという一項も同じ地方自治法の中にございます。したがって,これは国がどうこうということじゃなくて,岡山県が教育行政を進める上で,教育委員会が本当に学校教育一本に絞ってやれば,さらに効果が上がるのではないかというようなことのために,あえて焦点化集中化を申し上げたわけでありまして,こういうような立場で考えていきますと,必ずや可能であるというふうに判断をしております。 それから,教育基本法改正反対意見の広告ですが,これは広告は法に抵触しているかどうかというような結論を私はお聞きしようと思ったのではなくて,そういうことに対して教育委員会が鋭敏な感覚で,これまさしく教育の問題なんだと,教師にかかわる問題なんだという,そういう受けとめ方ができるかどうかということをあえて問うたわけであります。公器たる新聞紙上に,政治色の強いそういう発表を,教職員組合がするということは,先ほど教育長は一人一人の教師というような問題でとらえてますけど,決してそうではなくて,それは現場の教員がというとらえ方で一般の市民は見るであろうというふうに思いますし,今日の教育現場における混乱の最たるものは,やはり日教組のあつれきであるというようなことをお互いだれも考えているわけでありますから,少なくともそういうことに対してもっと敏感に対応する。結果がどうであれ,結構だと思っております。 以上,お願いということで申し上げました。お答えの方は結構でございます。どうもありがとうございました。 ○議長(千田博通君)  25番佐藤真治君。   〔 25番 佐藤真治君 登壇 〕 ◆25番(佐藤真治君)  自由民主党の佐藤真治でございます。 まずもって,石井知事の3期目,圧倒的な勝利での当選,まことにおめでとうございます。岡山県民の一人として,改めて知事に大きな夢を託させていただきたいと思います。ただ,我々も二元代表制のもと,県民の代表であります。県民の代表として,責任と自覚を持って岡山県勢の発展のためにともに頑張っていきたい。改めてよろしくお願いいたします。 それでは,通告に従いまして質問をさせていただきます。 まずは,大変に気になっておりますことでございます。9月定例会でも申し上げました。知事,笹ヶ瀬川は本当に危ないです。今回の台風でもまさに決壊寸前となったのは,御案内のとおりでございます。市民からも緊急対策特定区間はもちろん,危険箇所補修,河川改修,遊水池の確保,浸水対策用ポンプの増設に対応した計画流量確保等を望む声が強く出ており,早急な対応が望まれます。まず,知事のお考えをお聞かせください。 さて,知事は,提案説明の中で,「変革の流れを的確にとらえ,岡山県の将来の姿を明確に示される」という表現をされ,特に,道州制の導入,さらには,その規模として中四国州を提唱されています。しかも,国民的な議論が展開されるよう,あらゆる機会をとらえて積極的に発言されるということですが,まず大切なのは,県民的な議論を起こすために,まずは県議会本会議の場で明確に方向を示していただくことではないか,そのように思います。もとより,私は,平成15年3月の21世紀の地方自治を考える懇談会の報告については,現実的な可能性と大いなる夢を感じております。市町村合併に一定の答えが出た後は,道州制,中四国州の実現のためにも,地方から,そして岡山から,県民一丸となって知事を応援させていただく,大きな夢を実現していこう,そういったムードづくりが何より大切ではないか,そのように考えております。この点,県民の皆様はホームページ等で情報を得られなくもないですが,経済団体等にも御協力いただいて,道州制シンポジウムのようなものを県内各地で開催し,機運を高めていく時期に,もう来ていると,そのように思いますが,いかがお考えでしょうか。 ところで,知事は,21世紀の地方自治を考える懇談会を設置した平成13年9月の会見で,「道州制の枠組みは中四国州が適当」と表明され,平成14年9月の第14回中国四国知事サミットの際には,岡山県が提唱した中四国州の優位性が認められ,その実現の可能性をにらんで議論を深めることを,各県知事も了承されたものと理解しております。ただ,平成15年3月の21世紀の地方自治を考える懇談会報告書以降,市町村合併の問題がある程度落ち着き始めたところで,何か風向きが変わってきたように感じております。特に,この9月には,四国4県の経営者のアンケートで,「四国4県で1つの州に」という声が77%と,圧倒的であると伝えられ,11月15日には,広島県が道州制を導入し,中国5県を行政単位とする中国州の設置を目指す分権改革推進計画を発表しました。おまけに,藤田雄山広島県知事は,「州都は広島市が最適ではないか」と発言されております。もちろん,州都の議論は,道州制の中の重要な議論であるということは理解いたしますが,この点につきましては,知事は,「国と地方のあり方を抜本的に変えようと考えていく時期に州都はどこに置くかが先行すると,関係のない県で議論が進まなくなる」との認識を示され,「まずは大局的見地から議論を進めていきたい」と,大人の対応をされました。 そこで,あえて私は,州都の議論は避けるべきだと考えますが,知事は中国四国地方の他県が,道州制,殊さら中四国州構想についてどう考えていると御認識なのか,また,なぜスウェーデン,ベルギーに匹敵する経済規模の中国州ではなく,オランダに匹敵する中四国州という枠組みでないといけないのか,改めてお知らせください。 また,まずは今まさに国の財政再建の見地からないがしろにされる地方の問題とその後に発生する問題は,明確に峻別する必要があると思いますが,知事がおっしゃられる連携して国に立ち向かう分野と,近隣と競争すべき分野とは,具体的にどういったものを指すのでしょうか。また,道州制やその枠組みは,第三者や,ましてや国に決めてもらう筋合いではない。地方主権をもぎ取っていくためのまさに修練だと思いますが,そこまでの行程と岡山県挙げての目標に向かっていくためのハードルは何なのかをお知らせください。 次に,たびたび今議会でも取り上げておられます犯罪被害者支援についてお伺いいたします。 ちょうどこの原稿を書いておるときに,友人の御尊父が殺害されるという事件がございました。一日も早い事件の解決と御冥福を心からお祈りしたいと思います。 この12月1日,傷つけられたり生命を奪われるといった犯罪に巻き込まれた被害者とその家族の権利を守ることと,国や自治体の責務を定めた,犯罪被害者等基本法が成立しました。もっとも,あくまで基本法であり,大もとになる考えが定められただけで,基本計画等を通じた具体的な支援についてはこれからです。また,基本法成立に伴い,特に犯罪被害者を手助けするグループの活動の重要性も指摘されています。もっとも,日本にあるグループの数はまだまだ少なく,また支援団体への国の財政支出は,年間でアメリカが200億円,イギリスが50億円,日本には助成制度すらなく,ネットワーク加盟の37の民間支援団体は,財政難に苦しんでいます。まずもって,岡山にも,こうした支部組織,岡山弁護士会が中心となって設立されて1年がたつ被害者サポートセンターおかやまや,DV被害者を支援するDV防止サポートシステムをつなぐ会・岡山などがありますが,こういった団体にどういった支援を考えておられるのでしょうか,警察本部長にお伺いいたします。 さて,私は,基本法成立の翌日,犯罪基本法制定の契機ともなった社団法人被害者支援都民センターを訪ねました。そもそも,基本法の発端は,1991年の犯罪被害者等給付金支給法10年のシンポジウムで,飲酒運転のひき逃げ事件で18歳の御子息を失った現在の同センターの事務局長の,「日本では,被害者を救う道は何もありません」との訴えを受けて,92年に犯罪被害者や遺族の精神的ケアを目的とする犯罪被害者相談室が設置され,それが発展的に改組され,2000年に設置されたのがこの被害者支援都民センターであります。そして,2002年5月には,東京都公安委員会から,犯罪被害者等早期援助団体の指定を受け,さらに同年11月には,会費を納めたり寄附した者が税法上の優遇措置を受けられる特定公益増進法人に認定されています。 ところで,この犯罪被害者等早期援助団体とは,2002年4月施行の犯罪被害者等給付金の支給等に関する法律に基づいて,都道府県公安委員会が犯罪被害者等の早期軽減に資するため,さまざまな事業を適正かつ確実に行うことができる非営利法人を,この犯罪被害者等早期援助団体として指定する制度であります。そして,この指定を受けると,当該団体の求めに応じて,警視総監もしくは道府県警察本部長または警察署長は,被害者の同意を得て,被害者等の氏名,住所,犯罪の概要等に関する情報を提供することができます。多くの被害者は,被害直後には麻痺状態や混乱等のために,みずからのニーズを判断して支援を求めることはできません。実は,電話をかけようと思えるまでにも,1年から3年ぐらいの期間が必要であるそうであります。また,支援してくれる民間団体が本当にプライバシーを守ってくれるのかなどの不安から,民間団体に支援を求めることにちゅうちょする傾向にありました。しかし,この制度により,被害者支援の法的根拠が明示され,被害直後の危機的状態の中で,犯罪被害者相談員等が被害者に接して,被害からの回復のために最も効果的である直接的支援を行うことができるようになったのです。すなわち,警察と直結し,被害を受けてからすぐに支援を開始することができます。私は,警察が一義的な支援の機関であるというふうに思っておるわけですが,実は基本法ができる以前でも,その気になれば,この制度を活用してかなり機動的な犯罪被害者支援が行えました。しかし,なぜか全国でこの犯罪被害者等早期援助団体に指定されている組織は,現在5つしかございません。加えて,来年4月から施行の個人情報保護法では,むやみに個人の情報を提供すれば2年以下の懲役また10万円以下の罰金であり,被害者支援とはいえ,行政からすれば,個人情報については情報提供してもよいという法的根拠が必要になります。私は,早急に犯罪被害者等早期援助団体を設立するか,あるいは既存の団体を指定すべきであると考えますが,個人情報保護法との絡みも含めて,警察本部長はいかようにお考えでしょうか。 また,同センターから,「もう一度会いたい」という遺族の手記が出版されていますが,これは涙なくしてはとても読むことができません。その中で,「自助グループにおける同じ体験をした者同士の共感『私ひとりではない』という思いは,大いなる励ましと慰めになる」という言葉が出てきます。多分当事者でないと本質的なことはわからないことの方が多いのだと思います。そして,その活動の中から,刑法改正の危険運転致死傷罪成案のための署名活動,また生命のメッセージ展の全国的展開が行われています。また,同センター専務理事の「救済と支援は違います。あくまで被害者は自分の力で生きていくのです。人間には,その人自身が持っている対応能力や対処能力があるため,自分で問題を乗り切る能力を持っているのです。それを支援するのです」という言葉が耳に残ります。そのことを意識して,センターには,被害者の方が気楽に集えるグループ活動のための部屋がありました。私は,DV被害者のような犯罪被害者の自助グループが活動する場の整備が極めて重要であると考えますが,いかがお考えでしょうか。 さらに,これは犯罪被害者支援に限ったことではありません。多くのボランティアの方々にも支えられている,いわゆる電話相談等で,精神的不安や悩みを抱えた人に対して相談業務に当たられている方,そういった方の技術向上の支援,また二次受傷とも言われる相談員自身のメンタルヘルスの問題に対しては,いかように対策をとられているのでしょうか,保健福祉部長にお尋ねいたします。 次に,NPOと行政の協働についてお伺いいたします。私がこのテーマを通して本当に伺いたいことは,NPO支援についてのことではありません。今後の行政の統治スタイルについて,いわば行革の問題であるということを,まずお断りさせていただきます。 昨年の11月定例会で,岡山NPOセンターの財政基盤検討委員会が「レポート2003・NPO財政力強化への提言」をまとめられたのを受け,NPOと行政の協働のルールづくりが必要であると提言させていただきましたが,このたび,岡山県とNPOとの協働の手引(素案)が発表され,今まさにパブリックコメントが募集されています。この手引素案は,パートナーシップ社会の構築に向けて,岡山県とNPOとがどのように連携していくべきかという基本認識や協働事業を行おうとする際の標準的な手法について,県としての統一的な考え方を示すものであって,この手引素案の作成自体がNPOと行政の協働によって作成され,NPO側の声も非常によく反映されていて,今までの行政が作成する文書に比べると非常に内容もわかりやすく,あえて言えば,NPOにぐっと押されているような点を積極的に評価させていただきたいと思います。今回は,この手引素案をベースにして幾つか提言と質問をさせていただきます。 まず,手引素案の中に,協働の背景について,「行政は従来からの統治スタイルでは対応できない,あるいは政策形成範囲を超えたところで問題の解決を迫られるという状況に直面して」おり,「自由かつ機敏できめ細かいサービスが提供できるNPO」との協働が求められるとあります。謙虚と言えば謙虚であると思うのですが,これはもはや時代のニーズに対応できていないと行政がみずから白旗を揚げておられるのでしょうか。血税を払われている県民,市民の皆様からすれば,まさにこの激動する時代の変化の中で,まずは行政自身が従来からの統治スタイルを変えて,政策形成範囲を超えたところで問題解決をして,自由かつ機敏できめ細かいサービスをする姿に期待しているのであります。しかし,それができないのでNPOと協働するというのならば,各担当セクションは廃止して,頼むから税金はもとから寄附という形で,最初からNPOに払わせてくれと,そんな気持ちにもなってしまいます。そもそも論ですが,あえて知事に,なぜ行政がNPOと連携ではなく協働するのか,NPOとの協働を通して端的に小さな政府を目指しておられるのか,新しい公共の担い手の登場で,行政の役割はどのように変わっていくのか,その意味についてお伺いいたします。 次に,この手引素案でも,多少曖昧になっている公益法人についてお伺いいたします。言うまでもなく,社団法人,財団法人といった公益法人もNPOに含まれますが,御案内のとおり,NPO法施行満6年を迎える直前,この11月19日に,政府の有識者会議が公益法人制度改革の基本的枠組みについて最終報告書を提出いたしました。その内容は,こうした社団法人や財団法人といった公益法人制度を廃止して,新しい非営利法人制度(仮称)に移行して,中間法人制度も,この新しい非営利法人制度に統合され,廃止となるというものです。ただ,今回は,NPO法人制度は引き続き存置されるべきものとなりましたが,将来的には,あるいはNPO法人制度も制度に組み込まれることになるのではないかという見方が非常に強くあります。そして,公益性があると判断されれば,登記だけで設立された非営利法人に対して税法上の優遇措置を認めていこうというものですが,この公益性の判断基準,そして判断主体が現在非常に問題になっているのは,御案内のとおりであります。あえて言えば,小泉内閣が掲げた構造改革のうちの公益法人制度改革の端緒となる報告書が今出たということでありまして,この内容そのものについて是非の言及あるいは質問自体は避けさせていただきますが,そもそもこの公益法人制度改革の議論は,公益法人を各省庁の天下り先にしたり,補助金を垂れ流しにしたりするという官益法人に対する批判を受けて,当時特に旧KSD汚職事件を機に進められてきたものであります。まずは,こうした国の取り組みに対して,県として,どれだけ直接関与する公益法人に改革のメスを入れてきたのかについて,お伺いいたします。 そして,これはあくまで個人的な見解でありますけれども,行政が出資したり人的交流を行うという意味での官製の公益法人であれ,あるいは市民活動としてのNPOであれ,それらを新しい非営利法人制度という同じ土俵で一度フラットにして,第三者機関によって公益性を判断された上で,しかるべき非営利法人が行政と協働する時代が来ると考えます。これは,地方においても全く同じことで,岡山県も,現在,官製公益法人を含めて300以上の公益法人を所管しているわけですが,NPOを含めて,これはあくまで行革の観点から,県とのかかわり合いが深い団体との関係を一度フラットにすることによって見直して,そしてそれを再構築していく,そんな時代が来るのではないかと思いますが,知事の御認識をお知らせください。 また,今回の手引素案では,曖昧になっている公益法人との協働についての基準も,私は明確にしていく必要があると考えますが,いかがお考えでしょうか。 特に,社会経済情勢等の変化によって,今公益法人が行っている事業について,営利企業の事業との競合等で,当該事業を必ずしも公益法人が行うことはないんじゃないか,そういった意義の低下が認められるような場合には,解散あるいは営利法人あるいはNPO法人等その他の法人形態に転換したり,さらには公益信託の手法で実施すべきを指導すべきと考えますが,いかがお考えでしょうか。 また,知事は,提案説明の中で,「県の施策事業や施設運営についても,NPO等の参画を一層推進」されるとしていますが,特に今,指定管理者制度の導入が叫ばれる今日,例えれば,施設管理型とでもいうような既存の公益法人については,どういう対応をされるのでしょうか。 さらに,外国人研修制度のように,公益法人の所管がなじまないものあるいは県の委託を受けて行う,いわゆるセミナーや講演会の開催などのソフト面は,むしろ公益法人よりもNPOの方が機動的に対応できる場合も多く,官製公益法人の手から切り離すべきような事業もかなり多くなっているように思うのですが,今後どのように対応されていくのか,御認識をお聞かせください。 加えて,公益法人ばかりではなく,要は経営破綻すれば県が一蓮託生になるような,そんな団体については,もう今の段階で県の直轄に戻すか,さもなくばあらかじめ県民の皆様に,あえて言えば危険性といったものを広くお伝えしておく必要があると考えますが,いかがでしょうか。 最後に,手引素案の中でも指摘されているNPOと県庁内の各部署をつなぐワンストップの協働相談窓口の必要性について伺います。特に,来秋以降は,岡山県ボランティア・NPO活動支援センター(仮称)内に,担当セクションごと移転して設けるべきではないでしょうか。私は,保健福祉業務や産業振興のようなものは,なるべく実戦部隊と連携が密にできる,現場により近い場所にある方が,屋上屋を重ねることなく,市民サービスにも資すると考えます。特に,NPOと協働を進める行政サイドの窓口は,何も本庁内にある必要はないのではないか,私はそのように考えますが,いかがお考えでしょうか。 私の質問は以上でございます。大変多くなりまして恐縮でございますが,どうぞよろしくお願いいたします。まことにありがとうございました。 ○議長(千田博通君)  答弁を求めます。 知事石井正弘君。   〔 知事 石井正弘君 登壇 〕 ◎知事(石井正弘君)  自由民主党の佐藤議員の質問にお答え申し上げます。 その前に,私の3選につきましてお祝いの言葉を賜り,ありがとうございました。ともに県民の信託を受けておられます県議会の皆様方としっかりと手を取り合いまして,県勢発展のため尽力をしてまいりたいと考えております。 まず,笹ヶ瀬川についての御質問でございます。私も,この間の笹ヶ瀬川,増水をしておるあの状況,土木部長から報告を受けるたび,大変心配をしたものでございます。現在,県道岡山倉敷線白石橋から市道比丘尼橋までの区間におきまして,JR吉備線橋梁のかけかえあるいは堤防の整備等を,おおむね5年以内の完成を目途に重点的に事業を進めております。また,現在,都市化の進展や岡山市が計画しております浸水対策用ポンプの増設等に対応いたしました笹ヶ瀬川水系全体の改修計画の見直しを行っております。来年の梅雨どきから予定しております洪水予報の実施,これとあわせまして,ハード,ソフト両面から,流域全体の治水対策に万全を期することとしたいと存じます。 次に,道州制についての御質問でございます。 機運の醸成でありますが,道州制は,この国のあり方や地域の将来にとりまして,これは極めて重要なテーマでありまして,私たち自身の問題として広く議論を展開していく時期に来ておると,このように考え,県民の皆様方に道州制導入の趣旨,それから県民生活にとっての意義,これを考えていただく上で,御提案ございましたシンポジウム等を開催するということは,大変効果的であると,このように私も考えておりまして,市町村や経済団体等とも連携をいたしまして,開催を検討してまいりたいと存じます。 中四国州についてでありますが,中四国各県におきまして,道州制に対する考え方はまだまだ温度差がございます。中四国サミットや中国地方知事会の場での議論をさらに深めていく必要があるものと考えております。道州の枠組みを考える際には,一定の人口と経済規模を確保する必要があるということに加えまして,中四国地域におきましては,すぐれた景観と豊富な水産資源を有しております瀬戸内海の一体的な利活用や,太平洋から日本海に至るまでの高速道路網など,多軸循環型の地域構造を生かした戦略的な産業政策等を推進していく必要があると,こういうことが可能になってくるものと考えております。私といたしましては,以上のような点を総合的に考慮いたしまして,21世紀の分権時代にふさわしい自立力と競争力を備えた圏域といたしまして,当地域におきましては,中四国州を提唱しているものでございます。 連携と近隣との競争についてのお尋ねがございましたが,まずは,三位一体改革が地方分権改革の本旨にかなう改革となりますように,地方全体が一致団結をして取り組んでいくことが重要でございます。この改革を成就させるとともに,真の分権型社会にふさわしい道州を実現していくためには,この道州の制度設計が国主導の議論とならないように,地方が連携,結束をいたしまして,具体的な姿を積極的に地方の側から提言提案をしていく必要があると考えております。 また一方,地域におきましては,国への依存体質から脱却をいたしまして自立力を備え,全国一律,画一的な施策というものを転換いたしまして,創意工夫にあふれた産業振興や福祉政策などの分野におきまして,地域間競争を展開しながら,住民の満足度の高い分権型社会を構築していく努力を重ねていくということが重要であると考えているものであります。 行程等でありますが,道州制の制度設計におきましては,平成18年3月に最終答申が取りまとめられる予定の,第28次地方制度調査会での議論が重要なかぎを握っていると,このように考えておりまして,この答申に向けました議論が国主導ではなくて分権の趣旨にかなうものとなりますように,私も全国知事会を代表して同調査会に参画をいたしておりますが,この調査会を初めさまざまな場で積極的に提言・発言をしてまいりたいと存じます。 また,道州制実現に向けてのハードルというお尋ねでございますが,権限と財源の地方への移譲をいかに国の方から移譲してもらうかということを実現していくのか,国の出先機関を統合する上で生じてまいりますその余剰人員の処遇をどのようにしていくのかといった国との関係,これはもとより,現在の都道府県の枠組みが国民生活に深く根差しているという,その中で,いかに県民の理解を得ることができるか,あるいは道州の枠組みをどのように考えていくのか等々,課題は多いところでございますけれども,市町村や経済団体の御協力のもと,道州制に向けての県民全体の機運を高めながら,必ず実現をしてまいりたいと,こういう気概を持って臨んでまいりたいと思います。 次に,自助グループの活動の場でありますけれども,現在,県内におきまして,DV被害者の自助グループの活動はありますものの,犯罪被害者等の活動につきましては,把握をされていないところでございます。お話をいただきました場の整備につきましては,今般,成立をいたしました犯罪被害者等基本法に基づき,今後,国において行われます犯罪被害者等基本計画の策定や県内での自助グループの結成の動きなどを十分踏まえながら,県警察本部等関係機関と協議をいたしまして,適切に対処してまいりたいと存じます。 次に,NPOとの協働等についての御質問でございます。 まず,協働と行政の役割についてでありますが,互いに連絡・協力するという意味の連携に対しまして,共通の目的に向かってともに活動するという観点を重視いたしまして,協働という用語を使っております。 また,NPOとの協働は,複雑・多様化する県民ニーズに対しまして,迅速かつきめ細やかな行政サービスを提供するための効果的な手法の一つとして考えておりまして,協働によって,いわゆる小さな政府を目指していこうとするものではございません。今後,NPO初め多様な主体によって一部の公共的なサービスが提供されるようになってくるといたしましても,社会経済情勢が大きく変化をし,新たな課題が次々と生まれてくる中,最大かつ基本的な公共サービスの担い手といたしまして,行政の役割は今後ますます重要になってくるものと考えております。 公益法人改革でありますが,県の出資割合が大きい団体のみならず,収入の2分の1以上が岡山県からの補助金,委託料等で占められているなど,県の関与が高い公益法人を含む団体につきまして,これを県の外郭団体として定め,すべての外郭団体を対象に,不断の見直しを行ってきたところであります。この見直しを通しまして,第1次の行財政改革以降7つの公益法人を統廃合により削減をいたしますとともに,経営状況の公表を行った上で,県の財政的人的支援の縮小に取り組んでいるところであります。 行政とのかかわりの再構築についてでありますが,公益法人を含めた県とのかかわりの深い団体につきましては,県の外郭団体といたしまして,第3次行財政改革大綱に基づき,民間にゆだねるべきは民間にゆだねるという基本的な考え方に立って,統廃合の検討を含めまして見直しを進めているところであります。今後とも,こうした見直しを積極的に進めていきたいと存じます。 なお,現在,国で進められております公益法人改革におきましては,新たな非営利法人制度を創設した上で,現行の公益法人をこの新たな非営利法人等へ移行いたしまして,そのうち一定の要件を満たすものを,公益性を有するものといたしまして,社会的信用を高める方策等についての検討を進めるという方向性が示されております。県といたしましては,この動向を十分見きわめながら,公益法人全般につきましても見直しを進めてまいりたいと存じます。 公益法人との協働についてでありますが,手引素案では,民法上の公益法人と民法以外の特別法に基づいて設立される公益を目的とする法人をあわせ公益法人と,このように定義しているところでございますが,この中には,設立時の準拠法によって目的や事業が限定されているものが多く見受けられるところであります。そのため,協働に当たりましては,具体的な協働事業の目的や内容等によりまして,相手方の範囲を個別に特定していくという必要があると,このように考えておりまして,一律の基準を設けることは難しいものと存じます。 公益法人の見直しについてでありますが,公益法人の事業内容が社会経済情勢の変化により,営利企業の事業と競合し,または競合し得る状況となっている場合におきましては,まず,公益法人としてふさわしいと認められる事業内容へ改善することが可能かどうか検討するよう指導することとしております。そのような指導を行っても,なお改善されないか改善の見込みがないという場合におきましては,原則として,営利法人等の適切な法人形態への転換も含めた組織の改廃,または公益信託の活用も含めた制度手法そのものの見直しを行うよう指導することとしております。 さらに,今後,公益法人制度改革の法改正がなされ,新しい法人制度へ移行する際には,よりふさわしい法人形態となるように指導してまいりたいと存じます。 施設管理型の公益法人についてでありますが,県が設置する公の施設の管理を主な業務といたします,いわゆる施設管理型の公益法人につきましては,指定管理者制度の導入を踏まえますと,全体の業務のうち施設管理を行う業務部分につきましては,原則として,営利企業と競合し,または競合し得る状況となるものと考えられます。したがいまして,こうした公益法人に対しましては,先ほども申し述べたような事業内容の改善等の指導を行うことが必要となってくるものと考えております。 公益法人から切り離すべき事業への対応についてでありますが,県が公益法人等に委託している業務につきましては,まずは,限られた財源の効率的な活用を図る観点から,一般事務事業評価など各種評価制度を通じまして,年度ごとにその必要性や進め方を検証した上,適切に対応しているところでございます。今後も,こうした検証によって,業務を委託する必要性があるものにつきまして,効果・効率性というものを十分検討した上で,委託先を選定するなど,適切に対応してまいりたいと存じます。 県と関係の深い団体についてでありますが,これまでも欠損が累積するなど厳しい経営状況にある外郭団体につきましては,経営状況の公表を行った上で,経営健全化計画の策定等によります抜本的な経営改革に取り組んできたところであります。今後は,外郭団体の経営状況につきまして,より詳細でわかりやすい情報公開に努めますとともに,目標管理の考え方を取り入れた経営評価を実施・公表することとしておりまして,こうしたことを通じまして,経営改革の必要が判明した団体につきましては,厳しく改革を促してまいる所存であります。 最後に,ワンストップの協働相談窓口についてでありますが,岡山県ボランティア・NPO活動支援センター(仮称)については,平成14年1月の岡山県ボランティア・NPO活動促進委員会からの提言の中で,ボランティア・NPO等と県・市町村との協働の橋渡しとなることが基本コンセプトの一つに掲げられております。これを受けまして,議員御指摘のとおり,県とNPOとの協働の接点となります窓口を同センターに設けたいと考えているところであります。 以上でございます。 ○議長(千田博通君)  保健福祉部長宮嵜雅則君。   〔 保健福祉部長 宮嵜雅則君 登壇 〕 ◎保健福祉部長(宮嵜雅則君)  お答え申し上げます。 犯罪被害者支援のうち,相談員に対する支援についてでございますが,相談に従事する際には,相手の気持ちやニーズを把握するために深く耳を傾け,共感と理解を伝えることが心のケアにおいて重要でございまして,ボランティア等に対する研修会などに,保健所,精神保健福祉センター等の専門職員を派遣し,技術的な支援を行っているところでございます。 また,相談員自身が相談に応じる中で,強いストレス状況に置かれたり,燃え尽き症候群に至ることもあるため,相談員自身のメンタルヘルスについても,精神保健福祉センター,県立岡山病院等の医師等が相談に応じるなど,支援を行っているところでございます。 以上でございます。 ○議長(千田博通君)  警察本部長福島克臣君。   〔 警察本部長 福島克臣君 登壇 〕 ◎警察本部長(福島克臣君)  お答えいたします。 まず,民間の被害者支援団体への支援についてであります。 議員御指摘の被害者サポートセンターおかやまは,昨年11月,岡山県精神科医会,弁護士会等の方々が中心となって民間被害者支援団体として設立され,またDV防止サポートセンターをつなぐ会・岡山につきましては,平成13年に結成され,DV被害者の自立支援等の活動に取り組んでいる民間団体であると承知しております。県警察といたしましては,これらの団体に対しまして,相談員等の養成のための研修やスタッフ等に対する必要な助言を行ったり,協働して犯罪被害者等に対する支援の取り組みを行っているところでありますが,県警察として,さらに支援できることがないのか,これらの団体の要望をお聞きしながら検討してまいりたいと考えております。 次に,犯罪被害者等早期援助団体の設立指定や個人情報保護法との関係についてであります。 民間の被害者支援団体が犯罪被害者等早期援助団体としての指定を受けるためには,犯罪被害者等給付金の支給等に関する法律及び犯罪被害者等早期援助団体に関する規則の規定により,非営利目的の法人であること,事業を行うための施設を有し,一定の相談員を確保することなどが求められており,これらの条件が満たされた場合に,都道府県公安委員会は,犯罪被害者等早期援助団体として指定できることとされております。現時点では,被害者サポートセンターおかやまが犯罪被害者等早期援助団体を目指して事業を展開していることは承知しておりますが,法人格を有していないことなどから,この早期援助団体の申請がなされていないところであります。このため,県警察といたしましては,被害者サポートセンターおかやまが早い時期に犯罪被害者等早期援助団体としての条件を備えるよう,先ほども申しましたように,研修や助言等の支援のほか,同センターの要望をお聞きし,県警察としてさらに支援できることがないのか検討してまいりたいと考えております。 また,個人情報保護法との関係についてでありますが,議員御指摘の犯罪被害者等早期援助団体の指定がなされるまでの間における民間被害者支援団体等への情報提供につきましては,個人情報保護法及び個人情報保護条例においては,本人の同意があれば第三者へ個人情報を提供することができることとされております。また,犯罪被害者等給付金の支給等に関する法律においても,犯罪被害者等早期援助団体に情報提供する場合には,事前に被害者等の同意を得てから行うこととされております。 なお,被害者等の同意を得る場合には,事前に援助の具体的内容や早期援助団体の職員等には守秘義務が課せられていることなどについて十分な説明を行った上で,その同意を得ることとしており,被害者支援に伴う個人情報の取り扱いにつきましては,細心の注意を払って行うこととしております。 以上でございます。 ○議長(千田博通君)  この際,10分間休憩いたします。        午後2時16分休憩   ~~~~~~~~~~~~~~~        午後2時30分再開 ○議長(千田博通君)  休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を継続いたします。 12番小林清子君。   〔 12番 小林清子君 登壇 〕 ◆12番(小林清子君)  自由民主党の小林清子でございます。 まず初めに,このたびの県知事選挙におきまして,多くの県民から信頼と負託をもって高得票で見事3選を果たされました石井知事に,深甚の敬意を表し,心からお祝いを申し上げます。今後とも,山積する県政,ましてや先進県おかやまづくりに知事の敏腕をもって御活躍くださいますことを御期待申し上げ,順次質問に入らせていただきます。 まず,高潮対策についてお伺いいたします。 このたびの台風による高潮対策は,未曾有の記録をつくり,筆舌に尽くしがたいものがございます。被害を受けられました地域の皆様は,再び高潮被害が起こるのではないかと,不安な気持ちでいっぱいと思います。高潮に対する安全性信頼性を向上するために,浸水家屋が一定規模を超えた沿岸の地区におきましては,再度の災害を防止するために,集中的重点的に堤防及び護岸のかさ上げ,離岸堤などの海岸保全施設を整備する新しい制度が一日も早くぜひとも必要でございます。知事は,この新たな制度の創設を国に要望していただいているとお伺いしており,大変心強く,関係地域の皆様は絶大な期待をされております。ただ,既存制度の枠組みの中でも高潮対策が必要な箇所はたくさん残っております。特に,私の地元でもある岡山市南部水門湾の奥に位置する北浦幸島海岸では,台風第16号の際に,堤防からの漏水や海岸沿いの家屋に越波被害が発生するなど,地域住民が大変不安に陥りました。早期に,当地域の堤防のかさ上げや護岸の補強対策などが必要であると思われますが,今後の整備方針を土木部長に伺います。 次に,おかやま国体等についてでございます。 知事は,提案説明の中で,観光振興を,岡山を元気にし,地域経済の発展や雇用の拡大に直接的効果をもたらす主要課題と位置づけられています。特に,来年度の国体において,岡山の魅力の全国発信や県民挙げてのおもてなし運動を通じた観光客誘致活動の取り組みをより一層積極的に進め,訪れる人々に感動とよい思い出を与えられる観光回廊おかやまの形成を目指すとされています。 私は,去る10月23日,文教委員会の皆様と一緒に,埼玉の「彩の国まごころ国体」の開会式に出席いたしました。開会式の会場では,国体のマスコットである「コバトン」を使ったスカーフや「とどけ この夢 この歓声」のスローガンが入ったパンフレットがボランティアの方々の笑顔とともに配られていました。このスカーフは,開会式でも会場で盛んに振られており,大会に花を添えていました。こうした演出は好印象でしたが,気になったことは,会場で配られた袋の中に,観光や物産のパンフレットが入っていなかったことです。国体には,日本全国から大勢の選手,応援団などが集まりますから,県の観光や物産を発信できるまたとない絶好のチャンスだと考えます。短期決戦だけに,すべてのエネルギーを全力投球する,そのような意気込みや気概がぜひとも必要でございます。おかやま国体で配布される袋には,観光や物産のパンフレット類をぜひ入れていただきたいと思います。また,せっかくの機会なので,記念に岡山のものをお土産として持って帰りたいというのが人情です。そこで,宿舎となるホテルなどでも,観光パンフレットやポスターを充実するとともに,競技会場などの物産販売コーナーの品揃えを研究していただきたいし,さらに民泊家庭の方などを対象に,観光物産などや岡山県の魅力を紹介する手引書を配布して,一人一人がおもてなしの心とともに観光大使として活躍してもらえるような研修を充実していただきたいと思います。そのような取り組み等により,リピーターを拡大し,観光振興を図っていただくよう期待しています。 以上,国体を契機とした観光振興について,知事の御所見をお伺いいたします。 次に,気になった点は,開会式に配られたお弁当が,一見してコンビニで売られている普通のお弁当かと錯覚するようなものでした。お弁当は,一度に大量につくらなければなりませんので,仕方ないのかもしれませんが,来年のおかやま国体では,包装一つにしても大会のロゴを入れるとか,観光PRを入れるとか,工夫のあるものにしていただきたいと思います。また,国体での食事は,宿泊施設や民泊家庭で出されます。当然,栄養のバランスなどを考慮した標準献立に基づいてつくられると思いますが,できることなら白桃やブドウなどの食材を使った岡山ならではの郷土料理をメニューに加えていただき,温かい心のこもった食事にしていただきたいと思います。国体における食事についても,知事の御所見をお伺いいたします。 次に,審議会等委員への女性の登用についてでございます。 男女共同参画社会の醸成には,男女はあらゆる分野の活動に対等な立場で参画し,ともに責任を担うことが重要であり,知事は,提案理由の説明の中で,男女共同参画社会の醸成について,県みずからが率先して各種審議会などにおける女性の登用に積極的に取り組むという意気込みを示されました。県の審議会等委員の女性登用率について,知事のマニフェストでは,平成20年度の女性委員を3分の1以上にするとされています。ことし10月現在,県の審議会などは89あり,委員は1,362人,うち女性は342人で,女性登用率は25.1%にとどまっております。それだけに,女性の積極的な登用について,知事の強いリーダーシップの発揮をお願いいたし,御所見をお伺いいたします。 次に,食の安全・安心についてであります。 食の安全性については,BSE牛の発見以降,偽装表示,輸入野菜の残留農薬,ダイエット食品による健康被害など,いろいろな問題が発生し,消費者の信頼が大きく揺らいでいます。新聞社が実施したアンケート調査でも,食の安全への不安を背景に,多くの国民が安心できる食を望んでおります。多少のコストはかかっても,安全優先を求める声があり,また関係業者に対する不信感もあります。食の安全は,極めて重要な課題であり,私としても,食の安全・安心の確保を一層推進してもらいたいと考えます。国産牛につけられた10けたの個体識別番号の表示を義務づける牛肉トレーサビリティー法がこの12月1日に流通段階で施行されました。この法律は,昨年12月,生産から食肉処理段階までに導入され,今回で完全施行となったもので,県内でもスーパーや焼き肉店などで取り組みが始まっております。こうした取り組みの積み重ねで,牛肉への信頼感安心感が増すことと思います。県では,岡山県食の安全推進本部を設置し,県民の食の安全・安心の確保に向けて全庁を挙げて取り組んでおられますが,今後の取り組みについて,知事の御所見をお伺いいたします。 次に,動物行政への取り組みについてお伺いいたします。 ペットとして親しまれている犬や猫などの動物は,飼育し触れ合うことで心をリラックスさせてくれます。また,子供たちには,命の尊厳を体験させることができるなど,人々の暮らしを豊かにするパートナーとなっていますが,一方では,不適正な管理や愛護思想の欠如などから,さまざまな問題も生じております。このような中,本県では,動物行政を効率的総合的に推進し,広く県民に開かれた動物愛護思想の普及啓発を図るため,御津町に動物愛護センターが整備されています。敷地面積は約8ヘクタールで,総事業費約25億円をかけ,来年4月には供用開始されると伺っております。 そこで,現在,保健所で行っている動物の保護管理行政は,センター開設後どのようになるのか,お伺いいたします。 あわせて,センターを活用した動物愛護行政の新たな取り組みについて,保健福祉部長の御所見をお伺いいたします。 次は,果物の生産振興等についてでございます。 岡山県では,晴れの国と言われる温暖な気候を生かして,昔から特色のあるさまざまな果物が生産され,くだもの王国でもあります。特に,最近では,ピオーネに着目し,夢づくりプランに掲げて,栽培面積1,000ヘクタールを目指し,既に努力されていることは,皆様御周知のとおりでございますが,このピオーネの栽培面積が現在どれだけ拡大されてきたのか,また,そのために必要な担い手確保はどのようになっているか,農林水産部長にお伺いいたします。 なお,私の地域でも,桃,ブドウ,ナシなどがたくさん生産されています。例えば,ネオマスカットというおいしいブドウなど,丹精込めてつくられ,食べてみて本当においしいのですが,残念ながら,ピオーネのように県が力を入れておられるようには思われません。北海道あたりでは,高級で値段が高いマスカットよりも庶民的なネオマスカットに人気があると聞いたことがございます。また,種なしデラウェアなども甘くておいしいブドウです。これら地域で昔から栽培され親しまれているものこそ,安心できる果物であり,ふるさとの香りのする本物の味だと思います。ピオーネ振興とあわせて,ネオマスカット,デラウェアなどのブドウを初め,愛宕梨,ヤーリー,西条柿,富有柿など,地域の特色ある果物の生産振興を図るとともに,消費拡大を図られてはいかがでしょうか,農林水産部長にお伺いいたします。 また,私たち岡山県人は,岡山の大地に生まれ育ち,岡山の空気,水,食べ物を通じて今日に至っていますが,現在の少子化社会の中で,子供たちも岡山の産物により健やかに成長してもらいたいものでございます。学校給食などにも,地域食材を今後も積極的に献立に取り入れられるよう,教育長にお伺いします。 また,ちょうど1年前の一般質問において,我が県農業の近代化を推進するための提案をさせていただきましたが,それから1年,我が国の農業を取り巻く環境はますます厳しさを増しており,特に政府がメキシコ,フィリピンとの間で大筋合意した自由貿易協定(FTA)においては,辛うじて一部の農林水産物における重要品目に例外措置を設けましたが,農産物の輸入についての門戸開放が容認された形になり,外にはアジアからの安い農産物の輸入攻勢があり,内には農業従事者の高年齢化,販売農家の減少という,まさに内憂外患の状態が一層鮮明になってこようとしています。特区制度を活用して,岡山県以外からも企業の参入を進め,雇用創出を促進するような農業法人設立について提案申し上げ,石井知事からも前向きに取り組む旨の御答弁をいただいたと思います。国際的な協定が先行し,やがて国内の問題が抜き差しならない状態になってしまっては手おくれになります。民間が農業法人をつくるのを手助けしていくといったスタンスではなく,県政主導の農業振興を,とにかく具体的に推進するということでなければならないと考えますが,この1年の農業法人の設立推進の現状と今後の取り組みをどのように考えておられるのか,改めて農林水産部長にお尋ねいたしたいと思います。 次に,環境ISOについてお伺いします。 21世紀は環境の世紀とも言われるように,健全で恵み豊かな環境を次の世代に確実に継承し,持続可能な循環型社会を築いていくことが求められています。環境行政を推進していく上で,県庁みずからがいち早く環境マネジメントシステムの国際規格であるISO14001を取得され,先導的な役割を果たしておられることは大変意義深いものであったと思います。県では,平成13年2月にISOを取得され4年近くが経過し,これまでに環境に優しい行政運営に努められておられますが,それをチェックする内部監査体制も十分整ってきています。また,何よりも職員みずからがISOの重要性に対し,日ごろから心がけていらっしゃると伺っています。僭越ではございますが,今後,外部監査に頼ることなく,内部監査を行い,自立した環境行政を推進する時期に来ているのではないかとも考えます。環境ISOの評価と今後の取り組みについてお伺いいたします。 以上で質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 ○議長(千田博通君)  答弁を求めます。 知事石井正弘君。   〔 知事 石井正弘君 登壇 〕 ◎知事(石井正弘君)  自由民主党の小林議員の質問にお答え申し上げます。 その前に,私の3選につきまして,お祝い並びに今後の激励のお言葉を賜りまして,まことにありがとうございます。 おかやま国体等につきまして,国体を契機といたしました観光振興でありますが,まず,国体来場者向けの本県の観光や物産の魅力を紹介いたしますパンフレットでありますが,主会場内の総合案内所等におきまして,袋に詰めて配布をいたしますほか,宿泊先の旅館,ホテル等への備えつけなども検討しております。 また,岡山のお土産についてでありますが,主会場に設置予定の観光物産ブースにおきまして,本県が誇る伝統的工芸品あるいは特産の農林水産物なども含めました幅広い展示や販売ができますように工夫をしてまいりたと存じます。 さらに,御提案の民泊家庭に対する観光PRのための研修等でありますが,今後,民泊実施市町に対しまして,研修等の開催を要請してまいりたいと存じます。このような取り組みを通じまして,岡山のよさを全国に情報発信し,そしてリピーターの拡大を図るなど,今後の本県の観光振興につなげてまいりたいと思っております。 国体に関しまして,食事でありますが,栄養面や衛生面の配慮に加え,特産物や郷土料理を盛り込んだ標準献立を作成いたしまして,民泊家庭,旅館,ホテル等の宿泊施設や弁当調理施設への普及に努めているところであります。このメニューには,岡山ばらずしなど,瀬戸内の新鮮な魚介類を使用いたしました料理や白桃,マスカットなど,豊富な果物を使いましたデザートなどを取り入れております。 また,弁当につきましても,デザイン等にも工夫を凝らしまして,選手を初めといたします皆様方に,岡山らしさを十分味わっていただけるような,そういう食事の提供をするように,これからも工夫を加えていきたいと思っております。 次に,審議会等委員への女性登用でありますが,本年10月現在の登用率は25.1%でありまして,平成17年度末30%,平成20年度3分の1以上の目標達成をしていくためには,今後なお一層の取り組みが必要であります。このため,先日の男女共同参画推進本部会議におきましても,委員総数の見直しや女性委員の積極的な登用に努めるように,私自身,指示をしたところでございまして,今後とも,私自身が強いリーダーシップを持ってこの問題に取り組み,確実にこの目標達成ができますよう,取り組んでまいりたいと思います。 次に,食の安全・安心でありますが,食の安全・安心の確保は極めて重要な課題でありまして,私が本部長を務めております岡山県食の安全推進本部を中心といたしまして,全庁的に各種施策に取り組んでおります。そして,本年9月,「新世紀おかやま夢づくりプラン」の見直しに当たりまして,食の安全推進プログラムを新たに追加したものであります。 また,BSE対策といたしまして,平成17年度も引き続き牛の全頭検査を継続実施いたしますとともに,岡山県産カキのトレーサビリティーを導入いたしますなど,本県独自の取り組みも行っているところであります。今後とも,リスクコミュニケーションの充実・強化,国体における食の安全確保など,官民一体となりまして,食の安全・安心の確保に努めてまいりたいと存じます。 最後に,環境ISOについてでありますが,導入の結果,県の事業活動に伴う環境への負荷の低減や職員の環境保全意識の向上等,大いに役立っていると認識をしております。ISOは,本年度中に出先機関への対象拡大を終了することから,なお一層の浸透を図っていくという必要があるということ,また内部監査体制は,整備充実はしてきているものの,いまだレベルアップを求められているという段階にあることから,外部からの視点による検証も現時点では取り入れていくということが,取り組みの改善充実を図っていく上でより効果的であると考えているものであります。今後とも,ISOの一層の浸透を図りながら,職員一人一人の力を結集いたしまして,環境に優しい行政運営の徹底に努めていくことといたしたいと思っております。 以上でございます。 ○議長(千田博通君)  保健福祉部長宮嵜雅則君。   〔 保健福祉部長 宮嵜雅則君 登壇 〕 ◎保健福祉部長(宮嵜雅則君)  お答え申し上げます。 動物行政についてでございますが,動物愛護センターは,動物の保護・管理,苦情処理等の業務や動物愛護思想の普及を総合的に推進する施設として,来年の4月の供用開始を予定しております。 センターにおきましては,現在,各保健所で行っている犬や猫の引き取り業務を,平日だけでなく,土曜日,日曜日,祝日も行うとともに,県保健所の区域ごとに,場所,曜日,時間を決めて行うこととしております。また,野犬等の捕獲収容についても,同様に計画的に実施いたしますとともに,咬傷事故などの緊急時は,各保健所と連携して迅速に対応することとしております。 また,愛護館や触れ合い飼育棟など,動物愛護関連施設におきまして,動物触れ合い教室や犬のしつけ方教室,適正飼養の講習会の開催など,動物愛護について学習できる機会を提供し,広く動物愛護思想の普及を図ってまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(千田博通君)  農林水産部長森義郎君。   〔 農林水産部長 森 義郎君 登壇 〕 ◎農林水産部長(森義郎君)  お答えいたします。 まず,ピオーネの生産振興についてでございますが,県では,ピオーネ王国おかやま推進本部を設置いたしまして,農業団体等と一丸となりまして,各地区での講習会や共進会の開催を初め,普及センターによるきめ細かな技術指導や栽培農家の掘り起こしを行いますとともに,新たに栽培を希望する農家を対象に,本年初めてピオーネ入門セミナーを開催するなど,栽培面積の拡大や担い手の確保を強力に推進してきたところでございます。この結果,15年度の栽培面積は702ヘクタールとなっておりまして,本年度は80ヘクタールの面積拡大が図られると見込んでおるところでございます。また,新たに栽培を開始した農家は,14年度は102戸,15年度は126戸となっております。今後とも,栽培面積1,000ヘクタールの早期達成を目指して,ピオーネ王国おかやまの地位を揺るぎないものとしてまいりたいと存じております。 地域の特色ある果物等についてでございますけれども,果物の生産振興に当たりましては,県のブランド果物であるピオーネ,マスカット,白桃に重点化しておりますものの,ネオマスカットやデラウェア,愛宕梨,西条柿など,地域の特性を生かした果物につきましても,消費者ニーズに合ったうまい果物づくりを基本に,高品質生産に努めているところでございます。 また,お話のございましたネオマスカットにつきましては,根強い人気がある北海道市場等におきまして,市場関係者との意見交換会やブドウの販売対策会議を通じましてPR等に努めているところでございます。今後とも,農業団体等と一体となってピオーネ等に重点を置きながら,地域特性に合った多様な果物の生産振興と消費拡大を進め,くだもの王国おかやまの確立に努めてまいりたいと思います。 最後に,農業法人の設立推進についてでございますが,農業経営の法人化は,対外信用力の向上,有能な人材の確保,さらには,雇用の創出による地域農業の活性化を図る上からも有意義なことと考えております。このため,県では,認定農業者等を対象に,法人設立に向けた普及・啓発や研修会の開催のほか,税理士等による個別指導の実施など,各種の支援策を強力に進めているところでございまして,昨年末の216法人に加えまして,本年新たに13法人が設立されております。今後とも,市町村,関係機関・団体と連携いたしまして,認定農業者等の農業経営の法人化を積極的に進め,活力ある本県農業の確立に努めてまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(千田博通君)  土木部長山中義之君。   〔 土木部長 山中義之君 登壇 〕 ◎土木部長(山中義之君)  お答えを申し上げます。 高潮災害防止についてでございますが,岡山市水門湾の北浦幸島海岸のうち,正儀地区におきまして,平成12年度より海岸堤防約400メートルにつきまして補強工事を実施しているところでございます。 また,隣接する南水門地区につきましては,海岸沿いに家屋が連檐しておりますことや地盤が軟弱であるということから,補強対策工法について調査研究をする必要があるものと考えております。現在は,当面の対策といたしまして,堤防の漏水防止のための工事を実施しているところでございます。 以上でございます。 ○議長(千田博通君)  教育長宮野正司君。   〔 教育長 宮野正司君 登壇 〕 ◎教育長(宮野正司君)  お答えをいたします。 学校給食等についてでございますが,県教育委員会では,従来から,食文化の伝承や地域農業への理解,さらには食の安全・安心の観点からも,地域食材の活用を推進しているところでございます。現在,使用食品数の約26%は県内産食品となっております。そのうち,米,牛乳につきましては,すべてが県内産を使用しており,果物につきましても,旬に合わせてブドウ,ナシ,ミカンなどの地域の果物が献立に取り入れられております。 地域の食材を使用する上で,価格及び安定供給の面で課題がございますが,県内には,学校,PTA,生産者代表などで組織する,例えば地産地消を考える会を立ち上げている地域もございます。こうした動きが各地に拡大されるよう,関係部局と連携し,市町村教育委員会に対し働きかけてまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(千田博通君)  31番渡辺英気君。   〔 31番 渡辺英気君 登壇 〕 ◆31番(渡辺英気君)  一般質問大トリ,2004年最後の質問をさせていただく栄誉をいただきました自由民主党の渡辺英気でございます。初登壇以来,今回で,毎回質問を目指し,実に34回目の登壇となりました。 それでは,質問をさせていただきます。 2004年夏は,アテネオリンピックでの日本選手の大活躍に大喜びし,秋からは,台風被害と新潟地震災害に日本じゅうが苦しみ,悲しんだ年でありました。3期目を目指されて大勝された石井知事の選挙中にも,台風23号が日本列島を襲い,知事も急遽災害対策本部長として被災地を回られるという,非常事態となりました。本当に真剣に,県民のために頑張っておられる知事のお姿を見させていただきました。また,選挙2日目には,大雨に見舞われながら水島コンビナート企業や私の地元を御案内,先導し,下着までずぶぬれになりながら応援をさせていただいたことが,私の思い出の1ページとなりました。これからの石井知事の3期目は,今までにない苦難と改革の4年間になると思います。英知と勇気を持って,岡山県民のために頑張っていただきたいと思います。 まず最初は,三位一体の改革について質問いたします。 政府・与党は,11月26日午後,国・地方財政の三位一体改革に関する協議を首相官邸で開き,2005年,2006年度で総額2兆8,380億円の補助金削減を柱とする全体像を決定されました。このうち,地方への税源移譲額は1兆7,600億円で,2004年度分と合わせて2兆4,160億円となり,政府の目指した3兆円の目標には届きませんでした。補助金削減では,約4,700億円が事業の縮小・廃止に充てられ,約6,000億円は交付金となり,1兆円余りが税源移譲されず,生活保護費,児童扶養手当と公立学校などの施設整備費の国庫負担金削減は,結論を1年先送りされました。知事は同日,「今回の全体像は,地方六団体が取りまとめた改革案とは大きくかけ離れていると言わざるを得ない。しかも,重要な部分が先送りされており,その内容も不透明で,今後詰めるべき課題が多い。政府におかれては,地方の自主性自立性を高めようとする三位一体改革の原点を見失わないよう,今後の検討を進められたい。小泉総理大臣の強いリーダーシップを期待する。私としては,国の予算編成が具体化する年末はもとより,引き続き,真の地方分権の実現に向け,政府に強く働きかけていく所存である」とコメントを発表されました。 私も,財政のスリム化は進まず,難題は先送りされ,数字合わせに終わっており,本当の意味での地方分権とはほど遠い三位一体改革になっているのではないかと思います。省庁や官僚や族議員の思惑が見え隠れし,地方が求めていない,将来,地方財政に大きな負担となる社会保障分野を押しつけられた形となり,本当の意味で議論しなければならない義務教育や交付金の仕組みなどが議論されなかったことが,本当に寂しい限りであります。また,私たち地方も,義務教育や地方財政の健全化など,地方の責任に対する議論をもっとしなければと,改めて思いました。今回の三位一体の改革について,知事の御所見をお伺いいたします。 今,県民の方々は,三位一体の改革と言われても,実際に自分たちの生活にどのような影響があるのか,余りにも玉虫色過ぎてわからないのではないでしょうか。住宅や公共事業はどうなるのか,また,今まで行われていた産業育成は,自分たちの子供や孫の義務教育は,また社会保障はどのように変わっていくのか,もっとわかりやすく説明をしていただければと思いますが,どうでしょうか。 今月11日に,徳島県の自民党県連が開催をした「これでよいのか 郵政民営化・三位一体改革!」というシンポジウムでも,「今の改革ではほとんどの地方が生き残れない」とか,「改革と言っているが,負担を増加し,社会保障やサービスを削減しているだけだ」とか,「ごまかしただけで中身がない」とか,「理念はよいが手段や手法が問題」とか,「うまいフレーズで国民をだまそうとしているように思う」とか,相当厳しい意見が出たようです。石井知事は,我が岡山県のかじ取り役として,三位一体改革を取り入れ,未来に向けてどのような行財政運営を進められていかれるのか,お聞かせください。 次に,商工業の振興について質問いたします。 先日,テクノサポート岡山へお邪魔をし,ベンチャープラザ岡山2004を視察させていただきました。74もの新製品展示を見せていただき,頑張っておられるなと感心をいたしました。また,記念講演では,よし川グループ代表の吉川幸枝さんの「夢を忘れていませんか~歩く100億円の前向き人生一直線~」と題し,記念講演が行われていました。ベンチャー・ビジネスプランコンテストでは,三井秀也氏の「医療用ハエ幼虫の製造・販売」が最優秀賞をとられ,テレビ等で報道されていました。県内の中にも頑張っている企業や個人の方々がこれだけおられることに,改めて感動いたしました。県としても,これからも一生懸命応援をしていただきたいと思います。これまでも,岡山県は大学の研究成果の企業への技術移転により,地域経済の活性化を進めるために,岡山TLOの発足を支援したり,ミクロものづくりの強化のため,産業クラスターづくりを促進されたり,赤字の中小企業のため,経営戦略や生産・販売計画の策定支援を行い,その計画の実行に必要な融資を支援する中小企業経営改善計画策定支援事業を実施されるなど,一定の成果を出されています。本当に,県内企業にとってありがたいことだと思います。ぜひ今後とも,岡山の将来を支える産業の創造等に向けていろいろな施策をお願いしたいと思いますが,御所見をお伺いします。 ただ,しかし一方では,大手企業の景気回復とは反して,地元の中小企業はまだまだ大変な御苦労をしておられます。私の住む倉敷市においても,倉敷の商店街の方々などは,大型ショッピングモールの出現に客をとられ,困られている上に,来年5月には,三越倉敷店が閉鎖をすることにより,ますます駅前に人が来なくなるのではと不安を語られています。「倉敷駅が高架になっても,駅前ががらんとしていたら何にもならん。倉敷市に任せるだけではなく,県としても何とか頑張ってほしい」とお話をされていました。私も,県と市と連携をとり,早期に対策をとっていただかなければ,商店街はなくなってしまうと思いますが,産業労働部長の御所見をお伺いいたします。 私は,規制緩和の名のもとに,地元の中小企業の商店は,今,窮地に立たされていると思います。各地の商店街はシャッター通りと化し,食料品店や駄菓子屋はなくなり,本屋,薬屋,米屋,酒屋,食堂などはだんだんと姿を消しつつあります。コンビニが各地にでき,24時間営業。便利さにつられて皆が買いに行く。親が行けば子供も連られて行く。しまいには,不良のたまり場となっていく。それが今の地方の商店の流れではないのでしょうか。クリーニング屋,本屋,衣料品店はすべてチェーン店,今まで各地方で愛されてきた米もすべてコシヒカリ系となり,地酒もだんだんなくなってくる。本当にそれで地方の特色が守られていくのだろうかと思います。ベンチャーもいいですが,ぜひとも地方色のある商店の応援もしていただきたいと要望しておきます。 次に,公共事業の県内建設業への優先発注及び県内産資材の優先使用を求める決議について質問いたします。 この決議は,私が昨年土木委員会委員のとき,私の議員発議提案として,土木委員会の委員の皆様の応援をいただき,2月議会において決議をしていただきました。言うまでもなく,建設業は県民生活や産業活動に直結する社会資本整備の担い手として,地域経済の活性化や雇用の確保といった面で重要な役割を果たしていますが,今回の三位一体の改革を初め多くの改革による公共事業費の削減など,今後,厳しい経営環境が続くことが予想されています。このため,16年2月岡山県議会において,公共事業の県内建設業者への優先発注及び県内産資材の優先使用を求める決議を行い,建設業における雇用の確保や公共事業の削減が地域経済に与える影響を最小限に抑えるよう求めたところであります。この決議では,公共事業の発注や下請業者の選定に当たり,県内業者を優先することや県内産資材の優先使用,建設業の健全な発展を阻害する不良不適格業者の排除を求めたところでありますが,これまでの取り組みについてお伺いをいたします。 次は,子供たちの安全について,警察本部長に質問をいたします。 前議会でも,このことについては質問をいたしました。もっとマスコミと連動して,犯人の検挙ニュースを報道してほしいとお願いをし,たびたび報道され,地域として何らかの安全対策をされる動きが各地で出てきております。私の子供が通っている小学校でも,今まで子ども110番の家の設置さえされていませんでした。御父兄から声が上がり,子ども110番の家の設置が決まり,子供たちから絵を募集し,親しみやすい子ども110番の家ができ上がりました。きょうはそれを持ってきておりますので,こんなかわいいのができ上がりました(絵を示す)。女生徒が考えてくれて,今までパトカーとか警察官のがあったんですが,余りにも子供たちが入りにくいということで,この絵を採用させていただきました。子供たちにも安全対策について啓蒙ができ,かわいらしい,すばらしい子ども110番の家になったと思います。ただ,これだけで子供たちの安全が確保されるわけではありません。一部の警察署では,交通警察協助員,PTAなどの方々にお願いをし,ボランティアとして,子供たちの下校時に一緒に下校していただいているところも出てきているように聞いておりますが,県警としてどのような対応をされているのか,お聞かせください。 また,県警は,不審者対策として,ホームページに「キッズページ」をつくられたり,小学校に出向き,不審者に扮する警察官の方が子供たちに実際に声をかけ,どのような対応したらよいか防犯訓練をされたり,対策をとられていますが,不審者対策の現状はどのようになっているのか,お尋ねいたします。 また,一部の地域には,子供緊急通報装置やスーパー防犯灯を設置されておりますが,先般も,成果と,岡山,倉敷の防犯多発地域を選定して設置を国に要望していることについて答弁がありました。不審者に遭った子供たちに,犯人の容姿を聞くことで,子供たちに再び恐怖感を与えないよう,負担を軽減するためにも,ぜひ設置に向けて努力してほしいと思います。私は,不審者が多発する地域に,現在の通報装置をもっと小型化して,移動設置が可能なものにしてはいかがかと思います。今の技術であれば,小型カメラの映像をPHSで送ることも可能で,配線などの工事は必要ではなく,本当に移動設置が簡単にできます。そのような小型でコンパクトなカメラを,住民の要望のある地域へ設置することを支援していただきたいと思いますが,いかがでしょうか。 現在のように,不審者と警察と地域とのイタチごっこをいつまで続けるのでしょうか。不審者に遭った子供たちは,一人では外出もできなくなり,夜は明るくしていないと不安で眠れないとか,親と一緒でないと眠れないとか,夜中にうなされたりするなど,本当に心に傷を負っているのです。津山や奈良のような事件が,またいつ起こるかわからないのです。子供たちを守るためには,犯人をつかまえることが一番ですが,子供たちが安全で安心できる地域づくりのために,警察と地域の皆さんが連携して対策をとることが大切だと思います。御所見をお伺いいたします。 最後に,来年はとり年であります。「酉」の字は,そもそも昔の酒の器からできた象形文字であります。昔から,ひつじ年で収穫された米からさる年の神妙な力を借りてとり年の酒ができると言われております。言いかえれば,ひつじ年とはそれまで人生で育てたもの,重ねたわざが形となり,それを重畳たる力,人知を超えた原理によって醸造されるのがさる年,その美酒に酔いしれるのがとり年であります。そして,時計のなかった時代,人々は鶏の鳴き声で夜明けを知り,一日の活動を始めました。洋の東西を問わず,やみに潜む魔物を追い払い,太陽を呼び出す神聖な生き物とされてきました。我が岡山県にとり,実りの多い太陽の光の多く当たるとり年になれますことを心よりお祈りし,質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 ○議長(千田博通君) 答弁を求めます。 知事石井正弘君。   〔 知事 石井正弘君 登壇 〕 ◎知事(石井正弘君)  自由民主党の渡辺議員の質問にお答え申し上げます。 3期目の県政推進につきまして,力強い激励のお言葉を賜りまして,まことにありがとうございました。 三位一体の改革についてでございます。 改革の全体像に対する所見でございますが,今回の全体像は,地方六団体,我々が取りまとめた改革案とは大きくかけ離れていると,このように言わざるを得ず,しかも,その中身を見ますと,重要な部分が先送りをされ,さらに内容も不透明であるということでございます。今後,詰めるべき課題は多いと,このように認識をしております。私といたしましては,改革の実現に向けた取り組みは第一歩を踏み出したにすぎないと,このように認識をしております。引き続き,真の地方分権の実現に向けまして,政府等に対しまして強く働きかけをしてまいる所存でございます。中央省庁等におかれましても,制度疲労を起こしております中央集権型システム,これにかわる地方分権という課題は,時代の不可避な潮流であると,このような認識をぜひ持つべきであると考えておりまして,この地方分権を税財源の面から推進していこうという,今回の三位一体改革の原点を見失わないように,今後の検討をぜひ進めていただきたいと考えております。 三位一体改革の県民生活への影響というお尋ねでございますが,御案内のとおり,いまだ改革の具体的内容は不明であるわけでございまして,個々の県民生活にどのような影響を及ぼすかということを,具体的に申し上げる段階にはいまだないということでございます。そもそも,税財源面から地方分権を推進していこうという今回の三位一体の改革は,国庫補助負担金を廃止して,地方に税源を移譲することによって,国の画一的な政策によりますむだあるいは非効率性など,いわゆる縦割り行政の弊害を除去して,そして地方の自己決定・自己責任原則のもと,住民の受益と負担をできる限り一致させるという中で,地域の実情に応じて必要な政策分野に,そして事業に必要な量の財源を投入していこうと,またそれができるようにしていこうというものでございます。こういったことによって,地方は住民の皆様方に対しまして,みずからの選択に基づいて必要な行政サービスを迅速かつ的確に,しかもまた効率的に提供することができるようになるものであります。 今後の行財政運営というお尋ねでございますが,三位一体改革が本来の趣旨に沿いまして進展をいたしまして,真の分権型社会が実現をするということになりました場合におきましては,地方は,補助金等を通じた国のコントロールから脱しまして,財政の自由度を増し,そして自主性と創意工夫を十分発揮いたしまして,効率的効果的な行財政運営を行うことができるようになるわけであります。こういった分権の環境というものが整いますれば,私は自己決定・自己責任のもと,県民の皆様方に対しまして,本県の実情に応じました行政サービスを,これまで以上に迅速かつ的確に,さらに効率的に提供いたしまして,21世紀の夢と希望にあふれる「快適生活県おかやま」の実現に向けまして,一層の努力を傾注してまいる所存でございます。 次に,商工業の振興についての御質問であります。 今後の施策でありますが,本年2月のおかやま産業・雇用戦略会議の提言に基づきまして,超精密,医療・福祉,バイオなどの分野を重点分野といたしまして,新たな産業基軸の構築や中小企業の経営革新等に向けまして,お話いただきましたような岡山TLOなどの産業振興策を展開し,活力ある地域産業の育成に努めてきたところであります。今後とも,本県産業の柱となっております水島コンビナートを初め繊維など地場産業の振興を図りますとともに,本県が持っております産業集積等の優位性を十分に生かしまして,新たにミクロものづくりあるいはバイオ等の産業クラスターの形成を目指してまいりたいと思います。 また,ベンチャー企業を含めた中小企業が行う製品の開発,新分野進出,販路開拓等に対しまして,県工業技術センター及び県産業振興財団と一体となって支援をいたしますほか,企業誘致を進めることによって,多彩な産業集積を図り,岡山県産業の活性化に努めていくことといたしたいと存じます。 最後に,公共事業の発注等でありますが,今年度から,県内業者への優先発注,県内下請業者の優先選定や県内産資材の優先使用を徹底しているところであります。その結果,工事規模や特殊工法など,やむを得ない一部の工事を除きまして,現在までのところ,おおむね県内業者の選定及び県内産資材の優先使用が図られていると考えております。 また,今年度から,新たに談合防止策の強化,暴力団等の不当介入対応マニュアルの整備や県警,建設業界などと連携をいたしました暴力団等排除協議会の設置など,不良不適格業者の排除対策に取り組んでいるところであります。 以上でございます。 ○議長(千田博通君)  産業労働部長池上賢太郎君。   〔 産業労働部長 池上賢太郎君 登壇 〕 ◎産業労働部長(池上賢太郎君)  お答えをいたします。 商工業の振興に関する倉敷市との連携についてでございますが,三越撤退の意向表明を受けまして,倉敷市では,11月初旬に,商工会議所,商店街組合などで構成するくらしきシティープラザ東ビル対策会議を設置いたしまして,現在,新テナントの誘致やビル利用計画等の協議が進められておりまして,県といたしましては,商業振興の観点から,できる限りの相談に応じてまいりたいと考えております。 なお,県では,地元商店街組合等が行う倉敷屏風祭りなどのイベントや空き店舗対策などの事業に対しまして,倉敷市と連携しながら支援しておるところでございして,今後とも,こうした地域の特性を生かした個性的で魅力ある商店街づくり事業に対しまして,積極的に支援してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(千田博通君)  警察本部長福島克臣君。   〔 警察本部長 福島克臣君 登壇 〕 ◎警察本部長(福島克臣君)  お答えいたします。 まず,通学路などにおける安全対策についてであります。 全国的に子供をねらった犯罪が多発しており,通学路や公園などにおける子供の安全を確保することは極めて重要であると考えております。県警察では,学校,自治体との連携を初め,地域の安全,子供の安全を目的に,地域職域で結成された240組織に及ぶ自主パトロール隊などのボランティアと協働して合同パトロールを行うなど,児童生徒の安全確保に努めているところであります。 また,子供の駆け込み場所である,いわゆる子ども110番の家の設置につきましては,PTAの御尽力やガソリンスタンドの御協力をいただき,新たに960カ所の増設を見るなど,現在,2万カ所余りに及ぶ広がりを見せており,その周知徹底を図っているところでございます。 次に,不審者対策についてでありますが,県警察といたしましては,学校,教育委員会などの不審者対策に役立てていただくため,ファクスや電子メールを利用して,桃太郎っ子サポートラインなどにより不審者情報を提供しておりますが,よりわかりやすい情報提供のため,本日から,県警ホームページの「くらしの安全WebMap」に,新たに不審者の出没箇所を詳細にピンポイントで表示した子ども安全情報の提供を開始したところでございます。 また,12月1日から,子供がクイズ形式で不審者への対応を学べるキッズページを開設したほか,学校に警察官を派遣し,不審者侵入時の対応要領,避難要領,防犯ブザーの活用方法など,これまでに防犯訓練を430回,防犯教室を151回実施し,児童生徒が被害に遭わないための対策を推進しているところでございます。 最後に,地域との連携についてでありますが,県警察といたしましては,犯罪が発生した場合に,犯人を早期に検挙することはもちろんでございますが,御指摘の防犯カメラは,犯罪抑止などに大きな効果があることから,設置について,自治体,施設管理者などへ必要性を説き,情報提供などを行うことで設置が促進されるよう働きかけているところでございます。引き続き,犯罪の起こりにくいまちづくりを支援してまいりたいと考えております。 また,子供を犯罪から守るためには,警察と地域の連帯が不可欠であり,地域全体が「子供は宝」との共通認識のもとで,協働して子供の安全対策に取り組むことが重要であると考えております。 以上でございます。   ~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(千田博通君)  以上をもって一般質問を終結いたします。   ~~~~~~~~~~~~~~~ △諸般の報告 ○議長(千田博通君)  この際,御報告いたします。 地方公務員法第5条第2項の規定により人事委員会の意見を求めました条例案に対する回答でありますが,本件はその写しをお手元に配付いたしておりますので,ごらん願います。   ~~~~~~~~~~~~~~~ △日程第2 議第102号~議第141号(委員会付託) ○議長(千田博通君)  これより議案の委員会付託を行います。 お諮りいたします。議第120号平成15年度岡山県歳入歳出決算の認定については,決算特別委員会に付託の上,閉会中の継続審査に付することとし,その他の諸議案は,お手元に配付の「議案付託表」のとおりそれぞれ所管の常任委員会に付託いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。   〔 「異議なし」と呼ぶ者あり 〕 ○議長(千田博通君)  御異議なしと認めます。よって,さよう付託することに決定いたしました。   ~~~~~~~~~~~~~~~ △日程第3 請願陳情委員会付託 ○議長(千田博通君)  次に,請願陳情の委員会付託を行います。 12月6日までに受理した請願8件,陳情65件は,お手元に配付の「請願陳情付託表」のとおりそれぞれ所管の常任委員会に付託いたします。   ~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(千田博通君)  以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。   ~~~~~~~~~~~~~~~ △休会の件 ○議長(千田博通君)  お諮りいたします。委員会開催等のため,明日から12月21日まで6日間休会といたしたいと思います。これに御異議ございませんか。   〔 「異議なし」と呼ぶ者あり 〕 ○議長(千田博通君)  御異議なしと認めます。よって,6日間休会とすることに決定いたしました。   ~~~~~~~~~~~~~~~ △12月22日の議事日程 ○議長(千田博通君)  12月22日は,午前10時30分開議で,議事日程は当日配付いたします。   ~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(千田博通君)  本日は,これをもって散会いたします。        午後3時38分散会〇 平成16年12月15日(水曜日)出席議員   1番 森脇 久紀君     2番 増川 英一君     3番 蜂谷 弘美君   4番 山本満理子君     5番 小倉 弘行君     6番 加藤 浩久君   7番 遠藤 康洋君     8番 栗山 康彦君     9番 神宝 謙一君  10番 西岡 聖貴君    11番 波多 洋治君    12番 小林 清子君  13番 久徳 大輔君    14番 高橋 戒隆君    15番 蓮岡 靖之君  16番 姫井由美子君    17番 三原 誠介君    18番 森本 徹磨君  19番 吉田 政司君    20番 赤坂てる子君    21番 武田 英夫君  22番 山田総一郎君    23番 長瀬 泰志君    24番 草苅 隆幸君  25番 佐藤 真治君    26番 池田 道孝君    27番 井元乾一郎君  28番 末藤  守君    29番 伊藤 文夫君    30番 小田 圭一君  31番 渡辺 英気君    32番 内山  登君    33番 小野 泰弘君  34番 河本  勉君    35番 岸本 清美君    36番 小田 春人君  37番 住吉 良久君    38番 鈴木 一茂君    39番 景山 貢明君  40番 高橋 英士君    41番 藤村 欣裕君    42番 古山 泰生君  43番 天野  学君    44番 中塚 正人君    45番 市村 三次君  46番 三村 峰夫君    47番 千田 博通君    48番 森  正人君  49番 桑山 博之君    53番 井手紘一郎君    54番 小枝 英勲君  55番 大杉 尚久君    58番 原  寿男君           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~欠席議員  50番 戸室 敦雄君    56番 蜂谷 勝司君    57番 門木 和郎君           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~出席した事務局職員  事務局長     古矢 博通         次長       藤原 洋一  議事課長     前原 耕二         政務調査室長   曽田 章楷  議事課長代理   河井 伸充         議事課長補佐   亀山 節子  議事課主幹    石川 幸二         議事課主幹    米戸 健浩  議事課主事    藤原 健人           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~説明のため出席した者知事部局  知事       石井 正弘君        副知事      本田 茂伸君  副知事      内野 淳子君        出納長      黒崎 一秀君  公営企業管理者  龍門  功君        政策審議監    窪津  誠君  知事室長     小野 隆夫君        国体・障害者スポーツ大会局長                                  島津 義昭君  総務部長     前田 一浩君        総務部次長    古宮 正範君  企画振興部長   板野 忠司君        生活環境部長   山田 宗志君  保健福祉部長   宮嵜 雅則君        産業労働部長   池上賢太郎君  農林水産部長   森  義郎君        土木部長     山中 義之君教育委員会  委員長職務代理者 橋本 信子君        教育長      宮野 正司君  教育次長     釜瀬  司君公安委員会  委員       多胡 幸郎君        警察本部長    福島 克臣君  警務部長     西郷 正実君人事委員会  委員       村上 行範君        事務局長     藤原 師仁君監査委員  代表監査委員   吉永 謙一君        事務局長     高橋 泰治君選挙管理委員会  委員       松尾 淑子君...